理数教育研究センター長 伊藤 稔
2022(令和4)年4月、理数教育研究センター長を秋山仁先生から引き継ぎました伊藤稔です。
10年後の2031年に本学は創立150年を迎えます。「TUS VISON 150~日本の理科大から、世界の理科大へ~」に向けて、いま、東京理科大学では、
➀日本の先進技術を駆使しイノベーション創出に貢献する多くの人材を育成
➁科学技術、経営、教育の分野で世界レベルのリーダーとして活躍できる人材を供給
③人類への貢献をめざし、高い実践力と忍耐力を持ってたゆまなく課題の解決に挑む人材を育む環境
④基礎研究から応用研究まで幅広い分野に亘って世界をリードする研究拠点
⑤学際的コミュニティの中で多様性をもった自由闊達な議論を求め、世界各国から人材が集う拠点
⑥世界のいたる所で社会に貢献する理窓会メンバーである校友の強固なネットワークの中核
以上6点を掲げ、取り組んでいます。
現在、日本の学校では、子どもたちが1人1台、タブレット端末やノートパソコンを手にすることが当たり前な時代になりました。本学でも、全学的に教育DXを推進するために「教育DX推進センター(TUS-CTLT)」が誕生しました。
理数教育研究センター(以下、本センターと略す)は、今後の教育DXを踏まえた理数教育研究分野にかかわる多くの諸課題について研究を継続し、世界に向けて能動的に貢献し、本センターの教育研究成果は、本学学生はもとより、本学を卒業したOB・OG、さらに広く国内外の教育研究に活用されることを目指しています。これまでの本センターの活動をより具体的に挙げると以下の通りです。
1.理科や数学、さらには科学文化(サイエンス・コミュニケーション)を含めて、広い視野に立っ
た学力観の見直し及び学力調査方法やカリキュラム等の作成
2.科学文化的な広い視野に立った教員の育成及び支援、定期的な研究会、研修会、ワークショップ
セミナーなどの開催
3.世界各国の特徴ある教育の調査と日本の理数教育改善へ向けての提言
4.科学系オリンピックの支援や諸外国の才能教育の取り組みの調査を行うと共に、若い才能の発掘と
育成
5.全国の科学教育の重点校であるSSH、SPP指定高校への各種支援
6.将来、理科、数学を道具として使う学生のための、有益かつ実用的なプログラムやカリキュラムの
開発(理数系教科にカスタマイズされた数学プログラムの開発と作成)
7.日常生活や現代文明に応用されている人類の科学的遺産を、一般の人々に伝える啓発活動(科学リ
テラシーの向上)、及びサイエンス・コミュニケーターの育成
8.e-learningやWeb、コンピュータを利用した自学自習の学習システムの開発
9.体験(実験、観察、物づくり、討論、取材など)を通した学習法等の研究、開発と普及
10.教具や模型を活用した授業法(ハンズ・オン・マス)の研究、開発と普及
11.書籍の出版、映像やポスターの制作及び学会やシンポジウムの開催
12.当センターの活動を伝えることを目的とした機関紙の発行及びHPの作成
現在、世界中が、新型コロナウィルス感染症や政情不安により先を見通すことが困難な時代であるからこそ、未来を担う有為な人財を育てることが、グローバルな世界を切り拓くことにつながります。
皆様のご協力とご理解、ご支援を切にお願い申し上げる次第です。