理工学部教養 浅井准教授がおすすめする本

紹介者
氏名:浅井英樹 准教授
所属:理工学部教養
専門:近代ドイツ文学研究

 

本のタイトル等 この本をおすすめする理由
書籍名 :水晶 他三篇(岩波文庫)
著者名 :アーダルベルト・シュティフター
出版社名:岩波書店、1993年
十九世紀オーストリアの作家シュティフターの短編集『石さまざま』はいかがでしょう。雪山での遭難(「水晶」)、洪水(「石灰石」)、ペスト(「みかげ石」)、戦争(「石乳」)など、さまざまな危機に直面しながらも誠実に生きる人々のありようが、静かな筆致で描かれています。シュティフターがこれらの作品を書くことによって見出そうとした、人間の営み全体を統べている自然の「おだやかな法則」(『石さまざま』の序を参照)とは何か、それを考えることは、現代においてますます意義を増しているように思います。
書籍名 :私本太平記(吉川英治歴史時代文庫、全八巻)
著者名 :吉川英治
出版社名:講談社、2012年
大長編にもチャレンジしてみてはいかがでしょう。
何に拠って立つべきかわからない混迷の時代を、しぶとく、たくましく生きる人間たちを描いた群像劇です。現在BSで大河ドラマ『太平記』もアンコール放送していますので、あわせて見るときっとはまりますよ。
書籍名 :日本文学100年の名作 第10巻 バタフライ和文タイプ事務所(新潮文庫)
著者名 :池内紀・川本三郎・松田哲夫編
出版社名:新潮社、2015年
新潮文庫100年を記念して編まれた10巻からなる短編小説アンソロジーの最終巻です。小川洋子、桐野夏生、吉田修一、木内昇、伊坂幸太郎ら、現代日本を代表する書き手の珠玉の作品の数々に、思わずうならされます。この本を出発点に、気に入った作家の他の作品もどんどん読んでみると楽しいと思います。