#新しい生活様式#光触媒#殺菌効果

新型コロナウイルス殺菌のために、
光触媒の活用をめざす。

光触媒は、水と光だけでエネルギーを
つくることができる究極のエコ技術。

光触媒は日本で生まれた技術。通常、水に電極を入れて電気を流せば、酸素と水素が発生する。ところが、水に酸化チタンを入れて光を当てるだけで酸素と水素が発生する。光触媒が生まれた1970年代、その現象を疑う声は多かった。太陽光で燃料となる水素を採取できると驚かれた一方で、光触媒には他にも大きな特徴があった。それが強い酸化力による殺菌効果と水との親和性の高さだ。前者は現在、新幹線などの空気清浄機に利用され、後者はビルの外壁や道路反射鏡で汚れや曇りを防止するために使われている。光触媒という名前の通り、その利用に欠かせないのは光。強い光が当たる屋外では問題はないが、室内での利用には制限がある。寺島教授の研究は多岐にわたるが、あらゆる場所で光触媒ができるようにエネルギー変換効率の高い物質を見つけることもテーマのひとつ。そのために、現在、注目するのが水中プラズマの利用だ。酸化チタンを水中プラズマ処理することで、紫外線にしか反応しない性質が変化し、可視光吸収効率の向上などにより光触媒活性を高めることができるという。

室内での光触媒利用が広がれば
新型コロナウイルスにも対応できる。

寺島教授の研究室では、他にも可視光応答型光触媒として有力なパナジン酸ビスマスを使った光触媒の研究が進行している。「こうした研究によって、屋外と同じように室内での光触媒利用が可能になれば、例えば部屋の塗装や天井、床に光触媒を使うことで、家中をまるごと殺菌することも不可能ではありません」と寺島教授。新型コロナウイルスの流行を経験した現在の状況から考えると、もし無菌状態の家で暮らせるとしたら、どんなにうれしいことだろう。殺菌ということで言えば、寺島教授はもうひとつ、注目すべき研究を行っている。それは、ダイヤモンド電極を利用したオゾン水の生成だ。ダイヤモンドをつくる技術の開発から初めて、オゾン水生成器は実用化されている。その殺菌効果は非常に高く、オゾン水濃度0.1ppmでも、数10秒でサルモネラ菌を99.9%死滅させるという。ウイルスにも、細菌にも、しっかりと対応できる。それが日本の技術のようだ。

PROFILE

研究推進機構 総合研究院 光触媒研究推進拠点
寺島 千晶 教授

研究分野は、無機工業材料(ダイヤモンド材料等)やプラズマ化学。水中プラズマ技術と光触媒技術を併用したスペースアグリの要素技術開発などを行っている。

※本記事は、2020年6月取材時点の情報元に作成しました。