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2012(12TUSJournalH24).04.25vol.185自分の専門分野以外に“もうひとつの得意技”を持ってほしいボーイング777の機長として活躍するパイロット在はボーイング777の機長として活躍する田島さん。意外にも、パイロットという仕事を選んだきっかけは、大学の後輩からのすすめだったという。「就職活動を始めるまでは、自分の職業イメージの中にパイロットという選択肢はまったくありませんでした。漠然と『メーカーに入社して、国際的な舞台で仕事ができればいいな』と考えていたんです。きっかけをくれたのは、今理科大で准教授をしている平塚三好(東京理科大学大学院知的財産戦略専攻)さん。僕が大学院1年の時に、彼は学部4年で、一緒に研究をやっていたんですが、ある時平塚さんが『田島さん、こういうのがありますよ』と持って来てくれたのが日本航空の自社養成パイロット募集の案内でした。僕が初めてパイロットという職業に興味を持ったのはこの時でした」試験は、筆記から英会話、飛行適性検査など、6次まである試験すべてにパスしなければならないという。「1月に始まってひと月に1回、半年にわたって試験がありました。1次試験では1つの部屋で約100人の学生が受験したんですが、メガネをかけている学生が1人もいなかったことが、強烈に印象に残っています(笑)」現在は国内線のほか、米州線、アジア線でのフライトを担当。パイロットという仕事のやりがいについて聞いてみると、「運航条件が悪いフライトでは高い集中力が求められます。揺れが予想されるときには、適切な高度やコースを選んで機体の揺れを最小限に抑え、客室乗務員がより上質なサービスを行えるように注力します。また、福岡や伊丹のような市街地の空港に着陸する際には、逆噴射を抑えるなど、なるべく騒音をたてないように神経を使います。困難な状況でのフライトを無事に終えることができた時には、達成感を感じますね」「理科大の後輩たちにメッセージを」、とお願いすると「ぜひ英語の実力を身につけてほしい」という答えが返ってきた。「理科大生は伝統的に英語が苦手なんですが(笑)、社会人になって周囲を見渡してみると、英語が苦手なためにキャリア形成の選択肢を狭めてしまうと感じる場面が多いんです。そしてもう一つ、自分の専門分野以外に“得意技”を持つことも大切です。脳腫瘍の『鍵穴手術』の考案者として知られる脳神経外科医の福島孝徳さんは、学生時代に趣味のドラムに熱中していたそうです。そして、ドラムの練習で培われた両手を自在に動かす技術が“神の手”と称される手術手技につながったというのです。専門分野と“もう一つの得意技”が結びつくことで新たな可能性が生まれる……そんなブレイクスルーが求められていると感じます。閉塞感が漂う時代ですが、ぜひ広い視野で自身の将来像をイメージしてほしい……そう願っています」1965年神奈川県生まれ。88年、東京理科大学理学部応用物理学科卒業。90年、理学研究科物理学専攻修士課程修了。同年4月、日本航空にパイロット訓練生として入社。B747-400型機副操縦士、同型機機長を経て、現在B777機長。田島さんが操縦する飛行機のコックピット内。(駐機中に撮影したものです)発行所東京都新宿区神楽坂1-3東京理科大学広報課?03-3260-4271https://www.tus.ac.jp/●工学部50周年記念式典●平成23年度決算報告●サイエンスフェア開催報告田島純(たじま・じゅん)次号予告※一部イベントについては事前申し込み制の予定平成24年度オープンキャンパス※詳細は本学HPでご確認ください。国立美術館・国立科学博物館の利用について現田島純さん(日本航空パイロット)平成23年度の学位記・修了証書授与式が、3月18日(日)、東京・千代田区の日本武道館で挙行されました。5,475人の卒業生等は大いなる希望と夢を抱いて、それぞれの進路に羽ばたいていきました。藤嶋昭学長は式辞の中で、東日本大震災後、改めて科学技術の重要性が再認識され、社会に出て、これまでに培った実力を発揮する好機であること、社会人として責任を果たし、人生を真に豊かにするためには広い教養を身に付けることが大切だということ、積極的に海外へ赴き、国際的に活躍してほしい、などのメッセージをこれから社会人になる卒業生・修了生に伝えました。新たな進路へと旅立つ最後の一日、卒業生等はそれぞれ卒業証書等を授与された後、恩師や級友、ゼミやクラブの仲間との別れを惜しんでいました。社会は変革の時代で卒業生等の行く手にもさまざまな試練が予想されますが、「実力主義」の伝統を受け継いだ本学出身者として、さらなる活躍を期待します。2月20日(月)、長万部学寮第25回退寮式が行われました。退寮式では、学生に対して友岡康弘基礎工学部長、藤井志郎教養部長から激励の言葉があり、長万部町の白井捷一町長からは温かい言葉とともに記念品が贈呈されました。また代表学生2名の謝辞には、一同が思いを重ね目頭を熱くする様子も見られました。長万部学寮で1年間を過ごした318人の学生は、4月から野田キャンパスでの新しい歩みを始めます。本学キャラクターの「坊っちゃん」と「マドンナちゃん」をご存知でしょうか。創立125周年を記念して誕生した「坊っちゃん」と、理工系を志す女子学生を支援する「科学のマドンナ」プロジェクトで活躍する「マドンナちゃん」ですが、この度2人の着ぐるみが完成しました。全長約190センチと少し大柄ですが、トレードマークである袴やリボンも忠実に再現されています。既に今年度の入学式にて鮮烈デビューを飾っており、今後もさまざまな場所に二人仲良く登場する予定です。イベント等で見かけた際には優しく接してあげてください。野田キャンパス/平成24年8月7日(火)10:00?16:00久喜キャンパス/平成24年11月3日(土)10:00?16:00学科説明会・模擬実験・研究室見学・進学相談・大学説明会ほか神楽坂キャンパス(神楽坂校舎、九段校舎)/平成24年8月8日(水)9:30〜15:00開催日●実施内容5,475人に学位記・修了証書を授与平成23年度卒業式を挙行長万部退寮式大学キャラクターが「広い教養を着ぐるみになりました。身に付け、国際的に活躍を」藤嶋学長●国立美術館キャンパスメンバーズ2012年3月11日(日)上海市の中心街・淮海中路のオークラガーデンホテル上海で上海理窓会の設立総会が開催され、北カリフォルニアに次いで海外で2番目となる理窓会の支部が生まれました。上海在住の卒業生30人と上海出身の在校生6人が集まり、大学からは塚本理事長、藤嶋学長と昨年来精力的に設立を支援された国際交流担当の渡辺常務理事、校友・父母担当の池北理事、古川国際化推進センター長ほか事務職員が参加。また、小暮上海日本人学校理事長はじめ9人の来賓を迎え、理窓会からは23人が日本から駆けつけ、総勢80人が記念すべき設立を祝いました。設立総会に続き、塚本理事長と藤嶋学長は大学の更なる発展に向けての構想と期待を語り、特別講演の白木学シコー(株)社長(1947理・物)は学生時代のエピソードを交え超小型モーター製品開発にかける夢と苦心談を熱く語りかけました。今回、上海理窓会の大谷三喜男会長(1979工・工化)、葉維英副会長(1994工・経工)以下、今まで相知ることのなかった多くの現地卒業生が一堂に会することができました。このような機会を設定していただいた大学組織の皆さまに厚く御礼を申し上げるとともに、現地の皆さんのここまでの努力に敬意を表し交流の輪が全世界に広がっていくことを期待しています。理窓会会長山田義幸上海理窓会が設立されました@所蔵作品展無料観覧A特別展・共催展割引観覧Bフィルムセンター割引観覧東京国立近代美術館、国立西洋美術館、国立新美術館、京都国立近代美術館、国立国際美術館【特典】【対象施設】本学は「国立美術館キャンパスメンバーズ」および「国立科学博物館パートナーシップ」に加入しているため、本学の学生および教職員はさまざまな特典が受けられます。●国立科学博物館パートナーシップ※対象は学生のみ@常設展無料入館(筑波実験植物園、附属自然教育園含む)A特別展割引入館B各種講座の優先・割引受講【特典】