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2012(H24).04.25vol.185TUSJournal11SpecialInterview─東京理科大葛飾キャンパスが2013年4月にオープンすることについてどう思われますか?秋本最初に噂を聞いた時にはびっくりしましたが、葛飾区に初めて大学が出来るというのは感無量ですね。どこにつくるんだろうと思っていたら、金町だというので、ああなるほど、と。あそこなら水元公園も近いし、良い環境で学べるんだろうなと思いましたね。大学というのは、もちろん勉強も大切ですが、その大学がどんな町にあるのかも重要ではないでしょうか。葛飾キャンパスの近くには中川が流れていますし、川辺の風景もなかなか雰囲気があります。そうした風景が学生さんたちの記憶に残ってくれたらうれしいですね。学生時代はあまり感じないかもしれませんが、後になって思い出した時に、「ああ、いい所で過ごしていたな」と懐かしく思い出してもらえるような場所になってくれたらと願っています。─秋本先生の少年時代と比べるとだいぶ町並みも変わったのでしょうね。秋本東京自体がどんどん変わっていく場所ですからね。亀有も駅前にビルが出来てだいぶ変わりましたが、一方でぼくが子どものころと変わっていないところもあります。亀有食品市場という魚屋さんや八百屋さんなどが入るスーパーマーケットのコンパクト版のような場所があるんですが、そこなんかは昔のままですよ。小学生のころ、母親とけんかして家出したことがあるんです。でも、どこも行くところがなくて、その市場に行って水を飲んで帰ってきたという思い出があるんですけど、その水飲み場もまだありますよ。子どものころによく行った場所がそのまま残っているというのは不思議な感じがしますね。商店街も、建て替えたりビルになったりしていますが、配置自体は変わっていません。子どものころから知っているおじさんがまだいますから、悪いことはできません(笑)。新しいものも出来ているけど、同時に懐かしいものも残っているのがこの辺りの良さでしょうね。─まさに「こち亀」の世界ですね。秋本そう、どちらかに偏るのではなく、古いものと新しいものとが共存しているのが面白いんです。普通、大きなスーパーが出来ると商店街と敵対しがちなんですが、亀有はうまく共存共栄しています。こち亀ゲームぱ?くが出来るとなれば、商店街に両さんの銅像をつくって、こっちにもお客さんに寄ってもらおうとか、僕も町の人たちと一緒にいろんなことを考えて活性化に取り組んでいます。アイデアを駆使して活性化すれば、若者もちゃんと注目してくれるんですよね。─幅広い層から支持される両さんというキャラクターが古いものと新しいものとをつなぐ役割を果たしているんですね。秋本そこは長く描き続けてきたことの一つの成果かもしれません。35年描き続けていると、小学生のころ読んでいた人がお父さんになって、今度は子どもに読ませていたりしますから。若い人が来なくなって高齢者だけになってしまうと町は活性化しません。だから、「こち亀」効果も手伝って若い人たちが町に来てくれるのはとてもうれしいですね。今回の葛飾キャンパスのように、大学が出来るというのは町にとって念願でしたから、本当に良かったです。─東京都内でも、墨田区・足立区・葛飾区の下町三区は、こと教育に関してはやや手薄と言われてきましたが、今回の葛飾キャンパス開設を機にそのイメージが変わるのではと期待する声も多いようです。高田馬場なら早稲田、三田なら慶應というように、金町なら理科大といわれるようになれば…。秋本そうなったらうれしいですね。金町周辺には結構若者向けのショップも増えつつあるし、水元公園ではバンドが出場するイベントなども開かれています。若い人にとっても住み心地がいいと思いますよ。あと、金町周辺は昔から銭湯が多いんです。そこが住民同士のコミュニケーションの場になっているので、一人暮らしをする学生さんにはぜひ利用してもらいたいですね。今は風呂なしのアパートに住む若者は少ないと思いますが、せっかく葛飾区に来るのなら、ぜひ下町ならではの体験をしてもらいたいと思います。商店街に行けばお惣菜はいくらでもあるので、家でごはんだけ炊けばいい。店の人に「今日のおすすめは何ですか?」と聞けば丁寧に教えてくれるでしょうし、場合によってはおまけしてくれるかもしれません。─お風呂を家で沸かさず、おかずも外で調達すれば光熱費もかからないですし、エコかもしれませんね。秋本そうですよ。そうやって地域の人たちと触れ合ってほしいですね。授業が終わったらすぐ家に帰ってずっとパソコンの前に座っているというような生活じゃなくて、どんどん町に出てほしい。地元のお祭りなどにも積極的に参加してもらえたら、みんな助かると思いますよ。祭りは若い人がいないと大変ですから(笑)。─実は大学では、町の活性化のために地元との連携事業としてB級グルメをつくれないかということで、葛飾バーガーと葛飾丼のようなものを学食から発信できないかと考えているんです。カツシカにかけてシカ肉のカツを使ったらどうか、と。秋本それは面白いですね。葛飾のご当地グルメはありそうでないですから、完成した暁には、「こち亀」の中で両さんが食べているかもしれませんね(笑)。秋本治先生インタビュー「こちら葛飾区亀有公園前派出所」作者連載35周年を迎える国民的マンガ、「こちら葛飾区亀有公園前派出所」。作者の秋本治先生に、地元である葛飾に対する想いと、そこに誕生する東京理科大学の葛飾キャンパスについて伺いました。自然がいっぱいの水元公園現在の亀有食品市場の水飲み場。(今は水は出ないらしい)これまでに刊行された「こち亀」は、最新刊で179巻。連載35周年を記念して、集英社の13の漫画誌に両さんが出張するという特別な描き下ろし企画も行われた。c秋本治・アトリエびーだま/集英社愛され続けて連載35周年!国民的マンガ「こち亀」とは?1952年、東京都葛飾区亀有生まれ。1976年に『週刊少年ジャンプ』(集英社)で『こちら葛飾区亀有公園前派出所』の連載がスタートし、現在も連載中。少年誌の連載最長記録としてギネス記録にもなっている。通称「こち亀」と呼ばれる作品は、アニメ、ドラマ、映画にもなり、幅広い世代から愛されている。秋本治(あきもと・おさむ)今年、連載35周年を迎える国民的長寿マンガ、『こちら葛飾区亀有公園前派出所』。型破りな巡査長、両津勘吉(両さん)を主人公に、同じ派出所のメンバーである中川圭一や秋本・カトリーヌ・麗子たちとのさまざまなエピソードを描く。2006年には亀有に両さんの銅像が立つなど、地元密着型の漫画でもある。葛飾の名物スイーツVol.7KatsushikaCampusArea和菓子から洋菓子まで、下町葛飾の知られざる名物スイーツを紹介します。昔ながらの店構えで、製法は明治16年の創業当時から変わらない。同じ味を実現するために季節ごとに作り方を変えるこだわりの名物・草だんごは、モチモチの食感でよもぎがほのかに香る上品な甘さ。ぜひお店で作り立てをいただきたい。一押しの米米ロールは京菓子職人だった若旦那が考案したもので、口に入れた瞬間和三盆の香ばしい香りが広がる。無添加でミルクだけを使用した素朴な甘さの生クリームがうれしい。香りと甘さのハーモニーで至福のひとときを。「一つだけの目玉商品は作りたくない」という店長のこだわりで、ショーケースには色とりどりのケーキが常に30種類以上並ぶ。併設のカフェスペースにはお洒落なオープンテラスも。これからの時期にぜひ立ち寄りたい。一番人気はシュークリーム。半カラメルを使用した皮はこんがりサクサクでほどよい甘さ。中にはぎっしりと生クリーム入りカスタードが詰まっていて食べ応えは抜群!売り切れ必至なので早い時間に葛飾区柴又7-7-4?03-3657-3136買いに行こう。(営)7:30〜18:00葛飾区水元5-14-3?03-5699-7656(営)11:00〜19:00(平日のみカフェ18:00終了)葛飾区柴又7-6-20?03-3657-1749(営)平日8:30〜17:00/日祝日8:30〜18:00葛飾区柴又4-32-16?0120-082-801(営)9:30〜19:30休日:年5日程度葛飾区立石7-10-21トワモリオビル1階?03-5698-8650(営)10:00〜19:00休日:月2日程度木屋老舗い志ゐお菓子屋ビスキュイカンパニュラ開店当初から販売しているモンブランはやや大きめサイズ。栗は北海道産を使用するこだわりようで、中のクリームにはラム酒を使用していることもあり、大人も楽しめるモンブランといえる。かわいらしい内装も女性に人気の秘けつ。菓子工房キャラントモンブラン360円草だんご(5粒)300円米米ロール1本1200円カンパニュラのこんがりシュー200円店長こだわりのケーキが並ぶ