2018.01.11 Thursday

本学教員らの開発した希少がんの新たな治療法を日経産業新聞などが紹介

本学研究推進機構 生命医科学研究所 安部 良 教授、小幡 裕希 講師、ならびに理学部第一部 応用化学科 椎名 勇 教授らの研究チームによる胃や腸などの消化管粘膜下にできる腫瘍(肉腫)の治療薬の合成とメカニズム解析に関する研究」が2018年1月5日付の『日経産業新聞』で紹介されました。

本報道は、消化管間質腫瘍(GIST)の主な原因であるKitチロシンキナーゼの活性化変異体の新たな阻害方法を解明し、薬理活性評価と併せて発表した学術論文に関するものです。安部研究室では、胃や腸などの消化管粘膜下にできる肉腫の一種であるGISTの無限増殖の顕著な抑制効果と、その詳細なメカニズムを明らかにし、Kit変異体の異常な細胞内局在をターゲットとした、がん細胞の増殖を抑える新たな戦術を見出しました。

椎名研究室で全合成に成功した細胞内輸送阻害剤M-COPA(2-メチルコプロフィリンアミド[AMF-26])は現在、難治性胃がん(MET陽性胃がん)および難治性肺がん(EGFR陽性胃がん)の治療薬として、研究開発が本学/がん研究会/エーザイ(株)/北里大学の産学連携で行われていますが、本研究成果によりM-COPAが、予後不良であるイマチニブ抵抗型 Kitを発現するGISTあるいはマスト細胞腫などの難治性血液がんに対しても治療薬候補となることが示されました。

この研究により、チロシンキナーゼ阻害剤やモノクローナル抗体薬とは異なる、チロシンキナーゼ変異陽性のがんの新たな治療アプローチとして、ゴルジ体阻害剤開発の加速化が期待されます。急性骨髄性白血病(AML)や悪性黒色腫(メラノーマ)などのKit変異が原因の他のがんや、変異により耐性を獲得し、イマチニブ(商品名グリベックR)に耐性となったがんへのM-COPAの適応も今後検討されます。

本研究成果の内容は2017年11月28日発行のオランダ国Elsevier社のがん研究専門誌(Cancer Letters)オンライン版に掲載されました。(掲載誌は2018年2月28日に発行予定です。)詳細については掲載紙面をご覧ください。

■ 掲載紙
『日経産業新聞』 2018年1月5日付
『日刊工業新聞』 2018年1月22日付

椎名研究室ホームページ
研究室のページ:http://www.rs.kagu.tus.ac.jp/shiina/indexj.html
大学公式ページ:http://www.tus.ac.jp/fac_grad/p/index.php?19ed

安部研究室ホームページ
研究室のページ:http://tus-ribsjm.clsv.jp/immunology/
大学公式ページ:http://www.tus.ac.jp/fac_grad/p/index.php?A08803

(関連情報)
■YouTubeによる公開
タイトル:東京理科大学椎名研究室・がん研究会分子薬理部 合同記者会見(2016年9月30日)
動画説明:難治性の胃がんに高い効果がある新物質「M-COPA」を同定(アニメーション入り一般向け解説版)
URL:https://www.youtube.com/watch?v=4yBaG8TrI70

タイトル:東京理科大学椎名研究室・がん研究会分子薬理部 合同記者会見(2013年5月13日)
動画説明:ゴルジ体を標的とする新しい抗がん剤の人工合成に成功
URL:https://www.youtube.com/watch?v=DMQE8qSJboI

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