2017.09.05 Tuesday

本学教員らの研究成果を科学誌「Science」が掲載

本学研究推進機構 生命医科学研究所 久保允人教授らの研究グループの研究成果が世界的な週刊科学誌「Science」に掲載されました。

本学生命医科学研究所とテキサス大学サウスウェスタンメディカルセンター・理研統合医科学研究センターとの共同研究による成果です。
腸内細菌叢(腸内フローラ)を健全に保つことは、我々の身体を健康に維持する脂質代謝において重要な要素であることが知られています。しかしながら、これまでどのようなメカニズムが働いているのか分かっていませんでした。
時計遺伝子NFIL3(E4BP4とも呼ばれる)は、免疫系ではリンパ球の分化や機能をコントロールすることが知られる分子です。本研究の成果から、NFIL3には脂質代謝プログラムをコントロールする新たな働きがあることが分かりました。腸細胞でのNFIL3の発現には、グラム陰性菌からの刺激を介して発現の日内変動があり、概日リズムが一定に保たれています。NFIL3遺伝子を欠損するマウスは、脂質処理ができないため、体重の減少を招くことが分かりました。本成果により、健全な腸内フローラを保てば、健康を保つことが有効だと考えられます。

グラム陰性菌は腸管内の樹状細胞を活性化して、サイトカインIL-23を産生します。IL-23は自然リンパ球を活性化して、別のサイトカインIL-22を遊離します。IL-22は腸細胞を活性化して、サイトカイン活性化シグナル分子STAT3を介して、NFIL-3に拮抗的に働くRev-ebaの発現を抑制することで、NFIL-3の発現を誘導します。脂質代謝プログラムを介して脂質の処理をして体脂肪を調節しています。

論文タイトル The intestinal microbiota regulates body composition through NFIL3 and the circadian clock
(腸内細菌叢は転写因子NFIL3の概日リズムを介して代謝メカニズムを制御する)

Scienceの本論文紹介ページ:http://science.sciencemag.org/content/357/6354/912
サイエンスジャパンのページ:http://www.sciencemag.jp/(9日土曜掲載予定)

久保教授のページ:http://www.tus.ac.jp/fac_grad/p/index.php?24a4

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