2017.05.09 Tuesday

本学教員が日本コンクリート工学会賞 論文賞を受賞

本学教員が日本コンクリート工学会賞 論文賞を受賞しました。

受賞者 工学部第二部 建築学科 教授 今本 啓一
受賞内容 高炉セメントなど混合セメントの利用拡大は2030年度に2013年比で温室効効果ガス26%削減を掲げたCOP21での国際公約達成のための喫緊の課題で、建築構造物で適用部位が地下構造に限定されている高炉セメントの上部躯体への適用拡大が課題克服に有用である。適用拡大の最大の阻害要因は、混合セメントのうち最も汎用的な高炉セメントを用いたコンクリートの収縮ひび割れ抵抗性が劣ることによる躯体品質の低下である。本研究は、高炉セメントコンクリートにおける積年の課題である収縮ひび割れ制御の達成に向けた技術の新境地を切り拓き、以下の諸点で高く評価できる。
1)建築構造物において経験的にひび割れが多いとされ、上部躯体適用に制限が多い高炉セメントコンクリートについて、収縮ひび割れ挙動の定量的な分析を実験と解析の両面において進め、収縮ひび割れ抵抗性が夏期高温時に著しく低下する現象を初めて定量的に見出して経験論を学術的に裏付けし、そのメカニズムを詳細に解明した。
2)高炉セメントコンクリートの収縮ひび割れ抵抗性の低下要因として若材齢クリープに注目し、ボルトランドセメントによる場合に比べクリープによる応力緩和が小さい傾向を明らかとし、高温時に自由収縮が増大する性質に加えひび割れ抵抗性低下の鍵となる現象であることを初めて見出し、収縮ひび割れメカニズムの数学モデル化による新しい収縮ひび割れ解析手法と制御設計方法を提案し妥当性を立証した。
3)経済的かつ実際的なひび割れ抵抗性向上対策として、材料的な側面から炭酸カルシウム微粉と石こうの増量が効果的であることを示すに加え、施工的側面から硬化初期の冠水などによる水分供給養生が劇的な向上効果を及ぼす傾向を実験的・解析的に明らかにし、床スラブ等への高炉セメントコンクリートの適用に道を拓いた。
以上、達成された成果は、世界的に見ても新規性に秀でており、高い学術的価値を有する。さらに、その真価は、基礎的なひび割れ発生メカニズムの解明に止まらず実用的なひび割れ対策まで提案することで、学術的成果を直ちに実務に展開可能な技術にまで昇華したことにあり、混合セメントの適用拡大に向けその意義は極めて大きい。
以上に鑑み、2017年度コンクリート工学会賞(論文賞)を授与する。
受賞題目 高炉セメントコンクリートの収縮 ひび割れ抵抗性の低下メカニズムの解明と実際的な向上対策の提案に関する研究
受賞日 2017年4月26日

日本コンクリート工学会のページ:http://www.jci-net.or.jp/

今本研究室のページ
研究室のページ:http://www.rs.kagu.tus.ac.jp/imamoto/
大学公式ページ:https://www.tus.ac.jp/fac_grad/p/index.php?158e

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