研究部門・研究センター等の紹介

トランスレーショナルリサーチセンター

センター長  薬学部生命創薬科学科 教授 樋上 賀一  
研究内容 基礎研究から得られた成果から、疾患の診断、治療、予防法を開発し、臨床応用する。 
目的 医療機関と連携・協力して、本学が保有するシーズ、医療機関が望むニーズ、ドラッグリポジショニング候補薬物に対するトランスレーショナルリサーチ(TR)を実施する。 
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【研究成果ハイライト2016】

私立大学戦略的研究基盤形成支援事業

このセンターは私立大学戦略的研究基盤形成支援事業を実施しています。

Translational Research(橋渡し研究)とは

トランスレーショナルリサーチ(TR)とは、研究室で発見された基礎的な知見や技術について、臨床応用の可能性を評価しなおして、臨床の場に使われるまでに育てること。 すなわち、基礎と臨床との橋渡しをする研究です。 海外ではTRを意味する次のような標語が良く用いられます。 From Bench To Bedside !

TRセンター設置の背景

我が国は、基礎研究で優れた実績をあげながら、その成果を臨床の現場に活かす橋渡し研究(TR)が普及していません。そのことが我が国における新薬開発の大きな障害の一つになっています。本学には複数の学部で優れた基礎研究が行われ、明日の医療に貢献しうる可能性を秘めたたくさんのシーズが集積していますが、 本学には附属病院がないため、医療機関との接点が希薄であり、本学の持つ基礎研究の成果を臨床に還元しにくい状況にあります。

最近、医学部を中心に学内にTR センターを設置し、各大学の有する基礎研究成果を臨床応用するための研究体制の整備が始まっています。本学の持つ基礎研究の成果を臨床応用するためには、医療機関との共同研究の窓口になるTR センターを本学の学内に設置し、医療機関と連携して基礎研究と臨床研究の橋渡しを強力に推進することが不可欠です。

TRセンターの目的

本学の研究者が、医学部、医療機関と連携して基礎研究と臨床研究の橋渡しとなる研究を行うことにより、本学で発見、開発されたシーズを臨床応用にまで育成することを目指します。

以下の3 つのアプローチで研究を進めています。

1)臨床応用につながる新薬、DDS、診断技術の開発を進めます。

2)既存医薬品や薬効不足等で開発を中止した化合物の新しい薬理作用を発見し、新たな疾患治療薬として開発(ドラッグ・リポジショニング)します。

3)医療機関と連携して開発した新薬、新技術等の臨床応用を進めます。

TRセンターの構成員とその研究テーマ

TR センターには、2016 年6 月現在、学内研究者26 名 ( 薬学部19、理学部3、理工学部1、工学部1、基礎工学部2)、及び学外の客員研究者30 名が参加しています。

学内研究者(26名)

【薬学部・薬学科】礒濱洋一郎、堀江一郎(応用薬理学);岡淳一郎、恒岡弥生、濱田幸恵(神経精神薬理学);小茂田昌代(医療安全学);佐藤嗣道(薬剤疫学、治療リスク管理学);花輪剛久、河野弥生(医療デザイン学);東 達也、小川祥二郎(臨床分析科学)、真野泰成(臨床薬剤情報学)、吉澤一巳(疾患薬理学)、【薬学部・生命創薬科学科】秋本和憲(分子医科学);樋上賀一(分子病理・代謝学);深井文雄、伊豫田拓也(分子病態学);和田 猛、原倫太郎(有機合成化学・生命分子科学)、【理学部・応用化学科】鳥越秀峰(核酸医薬)、

大塚英典、松隈大輔(コロイド界面化学、バイオマテリアル)、【工学部・経営工学科】浜田知久馬(医療統計学)、【理工学部・情報科学科】佐藤圭子(生命情報学)、【基礎工学部・生命工学科】西山千春、八代拓也(免疫学・アレルギー学)

客員研究者 (30名)

【筑波大学】兵頭一之介、谷中昭典、鈴木英雄(消化器内科学);松村 明、山本哲哉(脳神経外科);大河内信弘(消化器外科学);原田義則(次世代医療育成センター);野口雅之(診断病理学);島野 仁、中川 嘉(内分泌代謝・糖尿病内科学)、【国立がん研究センター】上園保仁(がん病態生理学);武藤倫弘(がん予防学)、【東京慈恵会医科大学】大草敏史(消化器内科);佐々木敬(糖尿病学)、【東京医科大学茨城医療センター】松崎靖司(肝臓学)、【都健康長寿医療センター研究所】重本和宏(運動器学)、【国立感染症研究所】深澤

征義(ウイルス学)、【順天堂大学附属病院】堀本義哉(乳腺腫瘍学)、【ともながクリニック糖尿病生活習慣病センター】朝長 修(生活習慣病学)、【北海道庁保健福祉部】松永卓也(血液内科学)、【佐賀大学】兒玉浩明(機能分子学)、野口 満(泌尿器科学)、【長崎大学】下川 功、森 亮一(病理学);江口 晋(移植外科学);土谷智史(呼吸器外科学)、【大阪大学】石井 健(免疫学);山本紘司(臨床統計学)、【(公財)佐々木研究所】関谷剛男(TR センターアドバイザリー委員兼任、薬学・核酸有機化学);沖田直之(分子生物学)

活発な研究活動を進めており、臨床要用が展望できるレベルに達しつつあります。内外研究者との連携も進めておりますので、興味があるテーマがありましたら、是非ご一報下さい。

進行中の客員研究員との共同研究および海外の研究機関との共同研究(共同研究先)2016 年6 月現在

1. 悪性腫瘍、並びに生活習慣病の予防を目指した機能性食品の開発(筑波大学)

2. テネイシンC を分子標的とした神経膠芽腫治療法の開発(筑波大学)

3. インテグリン修飾による移植可能な再生肺の開発(長崎大学)

4. 健康寿命延伸を可能にするカロリー制限模倣薬の開発(筑波大学、長崎大学、佐々木研究所)

5. 損傷治癒促進を目指したアンチセンス核酸医薬の開発(長崎大学)

6. アンチセンス核酸を用いた膀胱癌治療薬の開発(ハワイ大学)

7. 新規PARP1 阻害機構による抗腫瘍薬の開発(長崎大学、佐賀大学、佐々木研究所、ハワイ大学)

8. 疥癬治療薬イベルメクチン全身浴法に対する臨床試験(複数の医療機関)

9. ビッグデータを用いた大腸がん予防薬の開発(国立がん研究センター)

10. 漢方による抗腫瘍薬、がん患者病態改善薬の開発(国立がん研究センター)

TRセンターの現状における問題点と克服すべき課題

1.ニーズ対応研究者の学内公募

学外の医療系機関に所属する客員研究員のニーズに対応可能な研究者を学内公募し、センターのメンバーとともに共同研究を実施したいと考えています。

2.外部医療機関との連携の拡充

各研究テーマについてカウンターパートとなりうる臨床研究者をさらに外部から招聘する必要があります。そのためには、慈恵会医科大学など近隣の医学部や医療機関と合同でセミナーやシンポジウムを定期的に行なっています。今後は、さらに、外部医療機関との連携を強化していく予定です。

3. 研究予算

TR センターとして、内外の研究者がチームを組んで取り組む共通の大型研究プロジェクトを申請し、研究費の獲得を目指します。また、臨床応用が期待できる特に優れた研究計画にたいして、予算を配分し、TR センター活性化の一助にできればと考えています。

4. 医薬品医療機器総合機構(PMDA)との連携

PMDA と本学との連携を通じて、TR センター構成員とPMDA との人的交流の実現、さらに本学でのレギュラトリーサイエンスの深化を目指します。

5. 国際化

ハワイ大学がんセンターとの共同研究が開始され、国際シンポジウムも開催されました。このような国際共同研究を発展・成功させて、学生や若手研究者の交流の場、国際経験を積む場にしていきたいと考えています。

TR-1

今後の展開

既に医療機関と共同研究が複数進行中で、今後の成果が期待される。また、本学にある新たなシーズ、医療機関からのニーズを発掘し、共同研究を促進する。

センター長からのコメント

本学は医療に貢献しうる研究成果を数多く有しながら、それらの成果を医療現場に還元するための橋渡し研究を行いにくい環境にあります。TRセンターは、多くの医療機関との共同研究により、本学で生まれた研究成果の臨床応用を目的として設立された組織です。ご自分の研究成果の臨床応用を目指す方は是非本センターにご参加下さい。

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