研究部門・研究センター等の紹介

超分散知能システム研究部門

部門長  理工学部 情報科学科 教授 滝本 宗宏 
研究内容 生物を真似た新しい並列分散手法の開発と、多水準の成果を用いた領域専用並列分散処理 
目的 言語処理系、並列分散アルゴリズム、ネットワーク技術といった基盤部における効率化を進めるとともに、生物の内部システムや社会性生物からの知見を基にした新しい並列分散モデルを開発し、多方面への応用を試みる。 
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【研究成果ハイライト2016】

■  超分散知能システム研究部門とは

現代の科学技術活動には、ビッグデータと呼ばれる莫大なデータから意味のある情報を抽出するデータマイニングの技術が極めて重要であり、ミクロレベルでは遺伝子・分子設計から、マクロでは地球環境まで、それらのビックデータのデータマイニングは、今や計算機科学の手を借りなければ一歩も進まない状況になっています。本研究部門の前身である次世代データマイニング研究部門では、応用分野を医療・生命系に絞り、人工知能や統計学を専門とする研究組織の下で次世代データマイニングソフトウェアの研究開発を進めてきました。その過程で、これらのソフトウェアの性能を十分発揮するためには、従来の処理方法では限界が見えてきました。ビッグデータをより効率的に処理し、新たな技術革新を生み出すためには、一層の並列化と分散化を進める必要があります。超分散知能システム研究部門では、次世代データマイニング研究部門の成果を発展させるとともに、そこから生じた性能上の問題を基に、新しい並列分散処理法を開発します。具体的には、言語処理系、並列分散アルゴリズム、ネットワークプロトコルといった基盤部における効率化を進めるとともに、生物の内部システムや社会性生物から得られる知見を基にした発見的手法に基づく新しい並列分散モデルを開発し、データマイニングを含め、画像処理、機械学習、ロボットシステム、ソフトウェア工学ツールといった多方面への応用を目指します。現在の本部門には、14 名の研究者が情報工学、認知科学、ロボティックス、バイオインフォマティックス、システム工学、土木工学の分野から集まっており、図1 の様な相互関係によって研究を推進しています。

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図1. 超分散知能システム研究部門の研究者の相互関係

研究体制

本部門は、次世代データマイニング研究部門の成果と協力関係を引き継ぐとともに、新しい応用を設定し、これらの性能上の問題を探りながら、高度な並列分散処理の実現を進めていきます。その際、並列分散の問題に、図1 に示す「応用」、「モデル」、「基盤技術」の3階層の立場から取り組み、知見を統合した最良の解決法を与えることを目指しています。

①並列分散の応用

応用の階層では、「データマイニングと機械学習」、「画像処理」、「ロボット分散制御」の3つの並列分散システムを、応用として設定し、それぞれのシステムに精通した研究部門研究者(滝本、大和田、小島、木村、堂脇、竹村、原田)がもつ知見から性能上の問題点を探り、応用から並列分散処理の課題を探ります。

②並列分散の基盤技術

基盤技術の階層では、「プログラミング言語」、「言語処理系」、「ネットワーク」の3つの分野に精通した研究部門研者(滝本、松澤、西山、澄川)によって、並列分散処理の基盤技術における直接的な性能向上を進めます。

③並列分散モデル

モデルの階層では、基盤技術によって得られた成果を応用に適用するとともに、研究部門研究者(滝本、玄、朽津、諸橋)の「進化計算」、「生物の内部システム」、「システム生物学」の知見を基にした、基盤技術と応用をつなぐ新しい並列分散モデルの開発を進めます。

■  目標とする成果

本研究部門では、3階層に分かれた研究開発を進めながら、図2 に示す相互に結びついた研究コミュニティによって、他の階層の成果や知見を互いに利用し、複数階層に渡る一体化した問題解決や性能向上を目指します。

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図2. 研究コミュニティと期待される成果

今後の展開

内在する複雑さのために人手に頼ってきた処理を,積極的な並列化と,高度に並列分散化した知能システムによって自動化する実践的なツールを実現する。

部門長からのメッセージ

本研究部門では、異なったレベルや側面で並列分散の研究を進めてきた専門家が連携し、新しい並列分散モデルの開発を進めるとともに、それぞれの性質や問題点を共有した一体化したシステムの実現を目指します。本部門の一体化した既成概念にとらわれない取組みによって、新たなブレイクスルーをもたらしたいと考えています。

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