研究部門・研究センター等の紹介

ものこと双発研究部門

部門長  イノベーション研究科 技術経営専攻 教授 関 孝則 
研究内容 “ものづくり”主体の産業構造を“もの・ことづくり”へと発展させるビジネスデザイン 
目的 「もの」と「こと」を組み合わせることにより、システムとしての価値を作りさらにエコシステム化することにより、継続性ある収益モデルを形成する仕組みづくりについて、製品・サービス・システムの観点から調査研究を行い、広く社会に提案することを目指す 
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【研究成果ハイライト2016】

◆ものこと双発について

ICT の進化により、有形/無形の価値提供がシステムとして共創・提供されており、もはや従来の産業構造では分類のできないシステムが提供されています。産業界では、これまでのビジネスモデル、すなわち品質・コスト・大量供給という仕組みから抜け出た、新たな仕組みや価値提供をする企業が世界で台頭する一方、わが国産業はICT による新しいビジネス展開の波に必ずしも乗りきれておらず、新たな暮らし、ビジネスのあり方を提案するというよりは、他国が切り拓くICT インフラを部分的に享受する“ものづくり”に留まっている面がいまだに大きいと言えます。

しかしながら、多様化する消費者のニーズの下では、製品(もの)は総合的な価値提案の中の一要素に過ぎません。新しい“こと”を届けるには新しい“もの”が必要となり、また新しい“もの”には新しい“こと”が必要となるという基本視点に対し、“ものづくり”または“ことづくり”それ単体の議論では応えられなくなっています。提供するベネフィットの性質が異なる“もの”と“こと”による協働、あるいは多くの事業者同士が協働するスキームについて、実学としての議論が求められているのです。

本研究部門は、“ものづくり”主体の産業構造から「“ものづくり・ことづくり”の双発エンジン」へと転換するために、産学官協働で“ものづくり”にICT とサービスを組み込んだ現代的なビジネスデザインについて事例研究を進め、そのメカニズムを明らかにすることを目的に、2015 年4 月に設立されました。また、サービスの運用について研究を進める中で、AI、ICT、サービスを用いた運用のフィージビリティを提案することも、本研究部門の目的のひとつです。“もの”と“こと”の融合を新たな学際分野として確立したいと考えています。2016 年より、活動の範囲を広げFintech 利用によるESG(Environment, Social, Governance)に対するありかた、デザイン思考によるものこと発想に取り組むこととしています。

◆研究体制

本研究部門では、個々のメンバーの専門領域に応じて、研究課題をグループに大別し、分担して研究を実施します。

①サービスIT研究分野

Servitizationの観点から、社会のサービス化全般について、製造/サービス問わず産業のサービス化による価値向上を研究する。

②ものことづくりマネジメント分野

製品単体の売り込みから、サービスあるいは事業運営などを一体としたグローバル展開へと変容が進む昨今のマネジメントシステムを対象に、その転換のプロセスないし技術マネジメント・人材/組織について技術経営面から研究を進める。

③コンピュータ・データサイエンス研究部門

収集が拡がるデータと人間社会との関係性について、システムの相互運用性・データ解析・セキュリティ/プライバシー・現実世界へのフィードバック手法・データマイニング・人工知能などを対象に研究を行う。

④実践ケース研究部門

サービスなど“ことづくり”に視座をおいた事例研究は製造業と比べて著しく少ない。“ことづくり”に関するビジネスの実践ケースを調査して、ビジネス形態などを軸に整理類型化し、ものことづくりへの適用について実践的に研究する。

新グループ・デザインシンキング・インテリジェントシステム・Fintech

表1 ものこと双発研究部門の構成

職名

氏名

専門・主な研究分野

部門長・教授 田中 芳夫 東京理科大学
教授 坂本 正典 東京理科大学
准教授 石垣 綾 東京理科大学
客員教授 沼尾 雅之 電気通信大学
客員教授 横澤 誠 京都大学
客員教授 関 孝則 セールスフォース
客員教授 梶本 一夫 パナソニック
客員教授 本村陽一 (国)産業技術総合研究所
客員教授 美濃輪智朗 (国)産業技術総合研究所
客員教授 横塚裕志 CEFIL
客員教授 小西一有 CEFIL
客員教授 二宮祥一 東京工業大学
客員教授 清水時彦 ゆうちょ銀行
客員研究員 沙魚川 久史 セコム
客員研究員 高田久徳 TUS IM
客員研究員 山下隆 GPIF
客員研究員 片寄裕市 TUS IM

◆産学官協働のアプローチ

本研究部門の関連組織として、「ものこと双発学会・協議会」があります(同学会の会長は本学の本山理事長、協議会理事長は長島元帝人会長)。「ものこと双発学会・協議会」では大学教員、国立研究所員、企業経営者・研究開発技術者・企画部門などの幅広い有識者と日本の産業構造を考えていく仕組みを構築しています。本研究部門では、「ものこと双発学会・協議会」の枠組みの中で月例の研究会を運営しており、社会ないし産業界の環境変化や課題、事例などを議論しながら協働できる場作りを行っています。

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◆目標とする研究成果

「ものこと双発」という新しい概念のもと、様々な研究領域・産業分野の研究者が共同して研究を行い、日本の産業形態に適応可能なビジネスデザインを発信したい。

◆今後の展開

「ことづくり」を進める産業界の課題を取り込みつつ、多様な産業事例を横断して「ものことづくりによる現代的なビジネスデザイン」の体系化を試みる

部門長からのメッセージ

2015年4月に設立した研究部門です。IoT関連技術が急速に発展する現在のビジネス環境においては、HWを中心とした製販ビジネスからSWやサービスを取り込んだ新しいビジネス形態への転換が急務と言えます。製造業・SW・ICT・サービス・技術経営に係わる研究者と、「ものこと双発」について取り組んでいます。

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