研究部門・研究センター等の紹介

先端ECデバイス研究部門

部門長  理工学部 工業化学科 教授 板垣 昌幸 
研究内容 「Only at TUS」の先端EC(電気化学)デバイスの創製 
目的 素材からシステムまで一貫した開発体制と相互連携により、要素技術を集約したデバイス設計を実現するとともに、デバイス指向型の評価・解析手法を確立することで、理科大オリジナルのエネルギーデバイスを創製する。 
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【研究成果ハイライト2016】

部門設立の背景と目的

自動車用電源やスマートグリッド向け、自然エネルギーの主力緩和やバックアップ電源に用いる定置用電源 として、蓄電・発電デバイスが着目されており、特にキャパシタ・燃料電池・リチウムイオン電池の世界市場は、今後5~10年で大きく成長すると予測されて います。一方、電子機器の小型化・多様化に伴い、いつでも、どこでも、だれでも利用できる安全かつ小型なユビキタス電源(特に出力および容量密度が高い小 型電池)の需要も依然高まっています。また、ウェアラブルなデバイスが注目されるなか、電気化学デバイスによる健康管理もメディアに多く取り上げられてい ます。

このようにEC(電気化学)デバイスの用途は極めて多種多様なものとなっており、既存の分野に捉われない分野融合的なデバイス開発 が必須となっています。また、デバイスの用途の多様化により、原子~マイクロレベルの構造制御に対する要求に加えて素材そのものにも多様化が求められるよ うになり、分野横断的な材料スクリーニングとテーラーメイドの材料設計の両立が必要不可欠となっています。さらに、複数のデバイスの利点を生かした新機軸 のデバイス創出に対する期待も大きいです。したがって、高性能ECデバイスの実現には、各種蓄電・発電デバイスに用いられる種々の素材からシステム構築に 関する専門家がそれぞれのノウハウを持ち寄り、相互連携して研究を行うことで、素材・デバイス共にブレイクスルーを起こす必要があります。また、多種多様 な用途に適したデバイスを提案するためには、従来の基礎化学としての評価・分析手法を、デバイス指向型に発展させ、用途に応じた材料・システム設計を提案 することが必要不可欠です。

本研究部門の特色は、キャパシタ・燃料電池・リチウムイオン電池に関わる研究者が一同に介し、新規コンセプト による電気化学エネルギーデバイスを素材からシステム開発、さらにその評価・解析まで一貫して推進することにあります。これにより時代・ニーズに柔軟に対 応できる「Only at TUS」の先端ECデバイスの開発を目指します。

研究テーマ

電気化学キャパシタグループ

デ バイス開発のキーとなる電極材料の研究では、作動電圧の向上が期待できる多孔質ダイヤモンド薄膜、導電性ダイヤモンド粒子の開発、細孔サイズの異なるメソ ポーラスカーボンの作製により原子からマイクロレベルで構造制御された電極を創製し、高エネルギー密度かつ高出力密度用電極材料を開発します。さらには、 イオン液体/電極界面における特性解析に基づく最適な組み合わせの検討、擬似容量を示すレドックス高分子・無機ナノシートの開発、マイクロスーパーキャパ シタの開発も行います。また、リチウムイオン電池グループとの連携により、容量と出力のバランスを制御したリチウムイオンキャパシタの開発にも取り組みま す。

このような分野融合的な相互連携により、各要素技術を様々に組み合わせて、新機軸のキャパシタを開発します。

燃料電池グループ

本グループでは大きく分けて小型かつウェアラブルなバイオ燃料電池および高出力かつ安定な固体高分子形燃料電池の2つに焦点を絞って開発を行います。

小 型かつウェアラブルなバイオ燃料電池では、紙および転写シートを利用した印刷型ウェアラブルバイオ燃料電池の開発を行います。例えば、尿に含まれる糖分で 発電する燃料電池は高齢者の介護(尿の検知・健康診断)に役立ちます。また、発汗中の乳酸をモニタリングできる燃料電池は、アスリートの健康管理に利用で きます。ウェアラブルなデバイスの開発には、印刷型ペーパーデバイスの開発、酵素に適したメソ孔を有する炭素材料の開発を行います。

固体高分子形燃料電池の開発では、安定かつ高出力化が可能な電極材料として導電性ダイヤモンド触媒担体へ担持した金属錯体原料の電極触媒の開発を行います。また、新規シリコン系・炭素系高分子電解質を新たに用います。

さ らには、固体酸化物形燃料電池と直接メタノール燃料電池のシステム開発とバイオマス原料からの水素製造ならびに評価に取り組みます。また、燃料電池の電極 構造および反応機構のオペランド(実動作下)解析を組み合わせることで、素材からシステムまで一貫した研究を推進し、高出力デバイスの開発を目指します。

リチウムイオン電池グループ

リチウムイオン電池の用途の多様化に対応するため、原子からマイクロレベルで構造制御された高容量電極の作製に加えて、高速マテリアルスクリーニングとデバイス指向型の評価・解析を実施し、材料の最適化と新たなデバイスの開発を目指します。

ナ ノ・マイクロ構造の最適化については、ソルボサーマル法等の液相法による微粒子作製及びコーティング技術による利用効率の改善を検討します。さらに、静電 噴霧堆積法による多孔質電極の作製を行います。また、材料探索については、コンビナトリアル法による高速合成・高速物性評価と、実験と計算化学を併用した 原子配列モデリングに基づくマテリアルスクリーニングを行います。

さらに、種々の作動条件下における電池特性の劣化機構を、電気化学特性の評価と、量子ビームを用いた原子・電子レベルの解析で検討します。評価・解析結果を材料探索にフィードバックし、使用目的および作動条件に応じたデバイス設計を提案します。

以上のグループ内・グループ間の相互連携により、「Only at TUS」のECデバイスの開発を目指します。

今後の展開

材料の開発・スクリーニングと、デバイスの評価・解析に関する技術を基軸として、キャ
パシタ、燃料電池、リチウムイオン電池の開発を推進する。

部門長からのコメント

先端EC デバイス研究部門では、蓄電・発電デバイスに関わる化学・機械・システム工学・
バイオ系分野などの専門家が一同に介し、それぞれのノウハウを持ち寄ることで、各要素
技術を結集した分野融合的な研究を実現し、「Only at TUS」ブランドの新規電気化学デバ
イスの開発を目指しています。

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