研究部門・研究センター等の紹介

イメージングフロンティア研究部門

部門長  理工学部 物理学科 教授 須田 亮 
研究内容 生命科学に資する最先端イメージング技術の開発と実証 
目的 多様な専門領域をカバーする本学の特長を生かし、最先端のレーザー技術、蛍光プローブ技術、イメージング技術を融合することで、ライブイメージングのための革新的技術の創出を目指します。 
メンバー メンバーリストはこちらから

設立の経緯と趣意

イメージングは基礎科学および医療・産業への応用における21世紀のキーテクノロジーです。したがって、多様な専門領域をカバーする本学の特長を生かした分野融合により産み出される革新的なイメージング技術は大きな波及効果を持つことが期待できます。その意図のもとに、多分野の専門家の間で互いの研究活動を把握して共同研究を促進すること、および次世代の担い手である若手・学生の啓発を目指して2010年に発足した野田イメージングアライアンスを母体として、最先端のコア技術を開発する拠点となる本研究部門を立ち上げました。物理学、化学、工学系の研究者による技術開発と生命科学研究者による実証研究との間で緊密なフィードバックをかけることで、広い土台に立った深みのある新技術の創出を目指します。

研究内容

「百聞は一見にしかず」生命現象を捉え、解析する上でも、この格言は当てはまります。本部門では、生体内で今まさに生じている現象を捉える“in vivoイメージング”の革新的技術を異分野融合により開発し、最先端の生命科学・生物医学研究におけるブレークスルーを目指します。

1.in vivo FRETイメージングの高度化

蛍光エネルギー移動(FRET)を利用して、生体内の化学反応をイメージングすることが可能になりました(図1)。さらにin vivoの現象を的確に反映するように蛍光タンパク質の改良を進めます。また、超短パルスレーザーを使用した位相制御法を開発します。これにより、褪色を最小限に抑えつつ、褪色速度を揃えることで、安定したデータの取得が可能となる次世代FRETイメージングを確立します。この高度化したFRETイメージングを、脳内のカルシウム動態モニタリングやリード化合物の新規スクリーニングへ応用することを目指します。

image1

図1 FRETセンサーの動作機構

2.近赤外in vivoイメージングシステムの開発

光散乱と生命現象へのダメージが少ない長波長領域の光をイメージングに活用することは世界的な潮流となりつつあります。さらに、波長1000 nmを超える波長領域(OTN-NIR)を使用したイメージングは生体深部の蛍光観察が可能で、自家蛍光の影響を受けにくい、前人未到の技術領域です。その近赤外光を使用したin vivoイメージングシステム(IFBI)が理科大発の次世代イメージングシステム(図2)として開発されつつあり、注目を集めています。さらに、本イメージングシステムに最適な希土類含有セラミックスナノ粒子から成る蛍光体プローブの開発を同時に進めます。このシステムにより、動植物個体や器官の深部の非侵襲な多波長イメージングが可能になります。開腹手術を避けた画像診断や作物の環境応答や病虫害応答モニタリングへの応用を目指します。

image2

図2 1550 nm蛍光によるOTN-NIR-IFBI (a) マウスの消化器官 (b) 数cmの豚の筋組織を通した蛍光体のイメージング

研究体制

新たなイメージング技術であるin vivo FRETイメージングと近赤外in vivoイメージングを軸に、理学、工学の科学技術各分野の専門家と、生体非破壊イメージングを進める各種生物の生命科学の専門家とが密なコミュニケーションを図ることにより、ユーザーのディマンドに応える先端的なイメージング技術を創出するため、ユーザーとデザイナーの双方が混在するメンバーで部門を構成しています。また、部門メンバーからその母体となる部局のメンバーへ接続し、上記の基軸技術を高度化するとともに新たな技術の創出を促します。さらには総合研究機構の他の部門・センターに潜在するユーザーやデザイナーとの連携を図ります。部門メンバーは学外との交流や共同研究も活発なので、学外の研究者とワークショップや講習会を開催することにより、本学において「フロンティアイメージング」の拠点の形成を目指しています。

期待される成果と波及効果

多くの生物種のゲノム情報が明らかになった今、生命科学の広範な分野の研究の発展にとって、生体内の分子の動態やそれらの相互作用を生きたまま解析するライブイメージング技術は不可欠です。本研究部門では、レーザー技術、新規蛍光プローブ技術、多様な生物種・細胞のライブイメージングの最先端研究者が一体となって高度に学際的な研究を展開することにより、次世代in vivo FRETや近赤外in vivo蛍光イメージングなど、生命科学のいろいろな分野にブレークスルーをもたらす、世界的に見ても類例のない斬新なイメージング技術の開発を目指します。理科大発の強力な方法論を世界に向けて発信すると同時に、理工学・生命科学双方の分野に精通した視野の広い人材の育成にも資することが期待されます。

▲ページトップへ