いのちの根源を明らかにし健やかで活動的な人々の暮らしを支える生命科学・医学を求める
2014年、東京理科大学は研究戦略中期計画を纏め、これまでの強みを生かす1)環境・エネルギー、2)もの作り・計測技術とともに、新たな強みとするべく取り組む重点課題として3)農水・食品とともに4)健康長寿社会の実現を目指した医療・生命科学を重点課題に設定した。これらの重点領域の設定は、単に東京理科大学の今後の問題であるだけではなく、人類が直面する、環境、エネルギー、食料と医療・福祉の全地球的喫緊の課題に理科大の英知を結集し挑戦しようとする大いなる試みである。
1989年故鶴田禎二研究所長の下に、東京理科大学生命科学研究所は生命科学を基礎とした産学協同研究拠点として設立され、東京理科大学の生命科学研究開発拠点の役割を果たしてきた。1995年には、故多田富雄所長の下、免疫学を中心とした研究所に大きく変貌し国際研究拠点としての体制を整え活動を続けてきた。この間、生命科学研究の大きな進歩、特に分子生物学とこれを支える研究技術の進歩により免疫学も大きく変貌と進歩を遂げ研究領域は急速に広がった。また、学問の急速な進歩により、分子レベルでのメカニズムの解明が新しい疾患概念、診断法、治療法に結びつく時代になり、時代の要請にも合わせ2012年には研究所名を生命医科学研究所と改め、新たに臨床開発部門も設置した。東京理科大学の、生命科学領域・医療への挑戦の拠点として再組織された。
2014年から始まった、全学的医療・生命科学への挑戦は、生命医科学研究所にとってはまさにその意を強くするものである。これまでも、がん医療基盤形成事業で、安部良前研究所長を中心に生命医科学研究所はもとより薬学部、理工学部、基礎工学部、工学部と強く連携しながら医理工連携の大きながん医療開発の取り組みをしてきた。また、全学的な共同研究を一層進めるために生命医科学研究所岩倉洋一郎教授を中心にヒト疾患モデル研究センターの設立と運営を行ってきた。
学内協力体制、学外の医療機関を含めた共同研究体制、実用化を促進するための産業界との連携を一層進める。また、既に始まろうとしている一部授業の英語化を含め外国からの留学生の受け入れ、研究者の招聘、派遣を通じた研究所そのものの国際化の促進を目指す。しかし、これらの取り組みは個々の具体策の実現に本質があるわけではない。生命医科学研究所の目指すものは、生命に対する畏敬の念と病に苦しむ人への慈しみの心を持った真理の探究である。
生命医科学研究所長:江角 浩安
病気の原因となる微生物から体を守る「免疫」のメカニズムを細胞、分子、遺伝子レベルで解明する最先端の研究領域をカバーします。がんや自己免疫などの難病、老化、アレルギー、AIDSといった重要な生命現象が主な研究対象です。
分子生物学の手法を用いて、遺伝子を基本単位として生命現象を解明する研究部門です。細胞分化、免疫応答、アレルギー、発がん、細胞死などのメカニズムをDNAの構造変化から生体の応答まで様々な階層で研究します。
生命科学の基礎となる蛋白質やDNAなどの情報収集および解析を行い、構造と活性との相関関係を情報理論的に解明。体内での情報伝達機構などを、イメージングなどの先端技術を駆使して研究します。
感染症・自己免疫性の難治性疾患・アレルギーに関わる「免疫」のメカニズムを分子・遺伝子レベルで解明します。抗体産生・免疫性炎症のメカニズムに焦点をあて、新しいワクチンの開発や創薬を目指します。
生物の発生から、分化、成長、老化、そして死まで、時間とともに生じる様々な生命現象を組織幹細胞の分子・遺伝子の変化としてとらえ、組織や器官の再生に向けた研究に取り組んでいます。
実験動物学分野の教育・研究を推進するために平成20年度に開設された新しい部門です。自己免疫やアレルギーに関わると考えられる、サイトカインやC型レクチン遺伝子改変動物を作成しそれらの分子の役割の解明に取り組んでいます。
国立がん研究センターや総合病院の医師をメンバーとし、医療現場からのニーズの提供や本研究所で培われた基礎生命科学研究の成果を臨床につなげるトランスレーショナルリサーチを推進する研究分野です。
7つの研究部門とは別に、生命科学に関する新提案について、学部・学科を超えたチームが共同研究を行うプロジェクト部門です。
民間及び公立の研究所が参入した共同研究部門で基礎研究の方法を吸収しながら独自の研究を発展させ視野の広い研究開発を行います。
生命医科学研究所 | ||
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所長 | 江角 浩安 | |
免疫生物学研究部門 | 教授 | 安部 良 |
講師 | 小幡 裕希 | |
分子生物学研究部門 | 教授 | 北村 大介 |
准教授 | 水田 龍信 | |
准教授 | 宮本 悦子 | |
助教 | 羽生田 圭 | |
助教 | 小沢 正晃 | |
生命情報科学研究部門 | 教授 | 中村 岳史 |
准教授 | 小園 晴生 | |
助教 | 七尾 友久 | |
分子病態学研究部門 | 教授 | 久保 允人 |
准教授 | 中野 直子 | |
助教 | 田中 伸弥 | |
発生及び老化研究部門 | 教授 | 後飯塚 僚 |
助教 | 小田 朗永 | |
実験動物学研究部門 | 教授 | 岩倉 洋一郎 |
講師 | 小川 修平 | |
助教 | 唐 策 | |
助教 | 島津 朋之 | |
助教 | 村山 正承 | |
技術員 | 久保 幸子 | 臨床研究部門 | 教授 | 江角 浩安 |
共通機器 | 技術員 | 原 泰志 |
詳しくはオリジナルHPをご確認ください。
生命医科学研究所
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