湧きあがるギモンにズバリ答える!リガクの泉、こんなギモンをお持ちじゃないかな

これが理学と工学の違いじゃ

「理学に興味がある!でも、工学とは何が違うんだろう?」そんな疑問を持つあなたに、ふたつの学問の根本的な違いを分かりやすく解説します。

理学は探る、工学は作るラーメンに例えると「なぜこのラーメンおいしいの」が理学、「おっとおいしいラーメンを作りたい!」が工学

理学とは、物事の本質を追求し、原理を解き明かす学問。例えばおいしいラーメンを食べたとき、「なぜおいしいのだろう?」と疑問を抱いたら理学タイプです。一方で、「もっとおいしくしよう!」と思う人は工学タイプ。因果関係そのものを突き止める理学に対し、明白な因果関係に従ってある着想を具現化しようと設計するのが工学の世界です。理学、つまり“探る”学問に興味を持ったら、次は基礎系と応用系に分かれる学科の違いを解説します。

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基礎系と応用家の違いはな・・・

理学部第一部は、数学、物理、化学のそれぞれの分野に、基礎系と応用系の学科があります。研究内容はどう異なるのでしょうか?

基礎系は深める、応用系は広げると研究の目的が違う、基礎系学科の数学、物理化学はするどい嗅覚で専門性をつきつめる、応用系学科の応用数学、応用物理、応用科学は幅広い視野で理学と社会をつなぐ

基礎系の学科で行う研究は、あらゆるモノづくりやイノベーションの根幹となる因果関係を探求するもの。そして、こうした基礎学問の成果を工学などの他分野に橋渡しする役割は、「どうしたらこの法則を発展させられるか」を考える応用理学が担っています。応用研究ばかりが社会に役立つようなイメージを持っている方も多いかもしれませんが、基礎分野の深い理解と柔軟な応用研究、ふたつのアプローチがあるからこそ、理学の発見が社会に広く活かされていくのです。
理学部第一部では、基礎系と応用系の学科をバランスよく配置。各学科の目的とポイントを一言で語ると……

数学は定理や証明法など数学の基礎分野を突き詰めて考える、応用数学は数学を用いて、自然科学、社会科学の問題を解決し未来社会を動かす、物理は自然界で起こる現象を簡単な法則で理解しようと試みる、応用物理は物理学を応用し物質や材料・デバイスのイノベーションを起こす、化学はミクロからマクロまで、物質の構築原理と変化の様相を探る、応用科学は基礎科学の理解を発展させ様々案開発につなげる

基礎と応用は、似ているようでその目的や目指すものが異なります。互いの連携と相乗効果があってこそ、理学のさらなる追求と発展が実現されるのです。

学科ごとの違いを詳しく語ってもらおう

数学科 大田雅人教授 数学者を目指すなら基礎を極める数学科へ

数学科には、代数学、解析学、幾何学など伝統的な数学のカリキュラムが用意されています。高校までの数学の延長線上でより高度な数学を学びたい人は、4年間を通じて基礎がしっかり身に付く数学科が向いているでしょう。教師や数学者など、数学のプロを目指す人が多いのも特徴です。一方、高校までの数学を応用して実社会の問題解決に役立てたいという人は、応用数学科に向いていると思います。情報産業に就職する人は、数学科よりも応用数学科のほうが多いですね。


研究テーマ 非線形波動方程式

南アメリカで起こった地震によって発生した津波が日本まで到達することがあるように、波には安定的かつ特徴的なものがあります。私が取り組んでいるのは「非線形波動方程式」と呼ばれる微分方程式に、この津波のように特徴的な波を表す解が存在するか、という研究。もともとは物理学者によって定式化された方程式に、数学の観点から挑んでいます。
数学は、寝ながら考えたり、海外の研究者と交流したりする中で、色々な偶然が次の発見につながる面白さがあります。世の中に食べ物や道具を作る人がいるように、数学者や芸術家がいてこそ社会がより良くなると信じています。


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応用数学科 黒沢健准教授 多分野の問題を解決するための数学

数学科、応用数学科どちらの学科も初年度は微積分やベクトルなどの基礎を学びます。2年次以降、数学科ではこれらの学問をより深く突き詰めるのに対して、応用数学科では確率統計や科学技術計算、情報など、応用分野に必要な数学を重点的に学びます。社会有用性よりも数学の真理を追い求める傾向があるのが数学科。経済や医学などの様々な分野に適応させるための数学、もしくは様々な実用上の問題に直面したとき、いかに数学を使い解決するか、それらが応用数学科での学びです。


研究テーマ 一般化線形モデル

私は今、「一般化線形モデル」と呼ばれる統計モデルのパラメータ推定や、データ適合度の評価基準について研究をしています。もともとは企業の研究所でロジットモデル(多項ロジスティック回帰モデル)を利用したマーケティングや需要推定に関する研究をしていましたが、今はロジットモデルを含む一般化線形モデルに対象を広げて、より理論的な検討を進めております。
この社会は、見えないところでアルゴリズムや数式に基づいて計算され動いています。研究者が導き出した数理モデルを、様々な社会現象の解析・予測手段に応用させれば、社会をより快適なものへ変えていけるでしょう。


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物理学科 佐中薫准教授 教員たちの研究テーマから基礎か応用かを選ぶ

物理学科では、現代物理学の4本柱である力学・電磁気学・量子力学・統計力学に加え、1年次から物理学実験や演習も行います。物理の道を極めたい人は基礎が向いているでしょう。宇宙、地球(大気)、物性(物質)、素粒子、および物理教育と様々な物理学の領域を専門とする教員が揃っています。学科を決める際には、所属する教員の専門テーマを見て自分の興味の方向を探るのが一番だと思います。


研究テーマ 量子情報化学

近年研究が活発になっている量子情報科学は安全性が極めて高い量子暗号通信や、次世代大容量光メモリー技術の開発に結び付く注目の分野です。私は光の粒子である光子を使って、この新しい情報技術を実現するための実験研究をしています。具体的には線形光学・非線形光学の手法を駆使し、新規の単光子発生光源・量子もつれ発生光源の開発や、光子の空間モードや偏光状態の制御を目指しています。
この研究を始めたきっかけは、量子情報科学の実験研究が本格的にスタートした1990年代、当時大学院生であった私でも、この誕生したばかりの新しい分野なら色々できそうな予感がしたからです。この分野は量子力学の原理という物理学の基礎と、新しい情報技術の実現という応用の両方にまたがるため、今後基礎と応用のどちらにも研究を発展できることに魅力を感じています。


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応用物理学科 伊藤哲明准教授 机上だけで終わらない!それが応用物理学

「物理を根源的に深く考える」ことが好きな学生は、物理学科にも応用物理学科にも向いていると思います。物理学科はより深く突き詰めるのに対し、応用物理学科はそれを机上の理解で終わらせず、身の回りの様々な物質・現象に応用しようという志向を持っています。基礎だけではなく、実学的応用だけではなく「従来にない原理による応用を目指す」学科はめずらしく、東京理科大学応用物理学科の大きな特徴だと思います。


研究テーマ 量子力学

大学時代、最初は難解で理解するのに苦労した「量子力学」というミクロな世界に魅了され、物質におけるミクロな磁石の振る舞いや磁性について研究するようになりました。“電流を流すと物質が巨視的磁石になる” という私の研究は、今まで議論されておらず、この原理を用いれば新しい磁気デバイスができる可能性もあると考えられます。
私の研究は、「最終的に世の中に役立つ応用を目指した基礎研究」と言えるでしょう。新しい原理を追求すると同時に、それを机上の原理で終わらせず新たな応用につなげていく。それが、私の研究スタイルです。


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化学科 築山拘光一教授 原理に向かうか人間社会に向かうか

同じ「もの」を扱うとしても、個々の分子の性質を調べたり、その性質を解明するための方法論を開発したりするのが化学科。一方で応用化学科は、「もの」の持つエネルギー問題や生体適合性といった、人間の社会生活と深く関わる部分に着目する傾向があります。化学科には、分子や分子集合体の示す色々な性質がどこから発生しているのか?という、より原理に近い部分を追求している研究室が多いと思いますよ。


研究テーマ レーザー分光学

分子が電磁波を吸収するとエネルギーが高い状態になり、通常とは異なる振る舞いを見せます。私が専門とする「レーザー分光学」は、レーザーを光源として分子の構造や振る舞いを詳細に調べる学問領域。実験は「パルス放電スペースシミュレーター」という独自の分子生成装置を使い、実験室に小宇宙を作りだします。
実験は基礎的なデータをひたすら積み上げていく地道な作業の連続ですが、この実験は宇宙における分子の進化、ひいては生命の起源を探ることにつながります。つまり人類の夢そのものに貢献する、とも言えるのではないでしょうか。


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応用化学科 工藤昭彦教授 社会貢献というも目的指向をもつ化学

どちらの学科でも、有機化学や無機および分析化学、物理化学といった化学の基礎は共通で学びます。しかしその先、それらの化学的知識を社会に還元したいと考えるなら応用化学科が向いているでしょう。応用化学科では、研究成果を社会に役立てようとする研究が多く行われています。例えば、電池や触媒を作る、薬を開発する、生命現象を分子論的に理解し応用するなど。特許に関係する化学情報管理や、社会的関心の高い環境科学など、ユニークな分野も学ぶことができます。


研究テーマ 人工光合成

資源・環境・エネルギー問題を解決するためには、太陽光エネルギーに代表される再生可能エネルギー技術の確立が不可欠です。そこで私は植物の光合成に着目し、光触媒と太陽光を使った水分解による「人工光合成」を研究しています。
この技術が実現すれば、水からソーラー水素を作ることができ、二酸化炭素の増加抑制や、それを炭素資源とした有用な物質変換が可能になります。エネルギー問題の解決をはじめ、地球存続に貢献する科学技術になるでしょう。しかしその開発には、まだ知的好奇心に基づく基礎研究が必要。特に、化学と物理が協調できる学際領域が重要だと考えています。


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