大学院のご紹介

研究科

理学研究科

数学専攻・物理学専攻・数理情報科学専攻・応用物理学専攻の4専攻からなる理学研究科は、理学の基礎分野はもちろん、既存の枠を超えて次々と開拓される新しい境界領域を幅広くカバーし、国内最高レベルの研究・教育機関として教員・学生が一体となった世界的水準の研究活動に取り組んでいます。さらに物理学専攻・応用物理学専攻では先端的研究課題を部門を越えて履修する「共通特別講義」や、新分野への進出を希望する学生のため、第一線で活躍する学外の研究者を客員教員に迎える「連携大学院方式」の採用など、新しい試みにも積極的に着手しています。

数学専攻

ギリシャ語の幾何学が土地測量の意味を持つことから分かるとおり、数学はもともと実用の学問として生まれました。しかしユークリッドの原論にまとめられた幾何学には、もはや測量術の面影はありません。今日の数学を見ても数学の2面性に気づくはずです。言語や画像に代わって経験を表現し、その論理的な結論を導き出すための道具としての数学と、真理探究の対象としての数学。もちろん、同じ数学である以上、その両者は無縁ではありません。後者は数学の基礎を固め、後の応用を促します。19世紀後半から20世紀中葉まで数学は、その基礎づけに力が注がれてきました。21世紀の今、実用的応用が多様化しています。

理学研究科数学専攻は「代数学」「幾何学」「解析学」「確率・統計」の4部門から構成されています。そのカリキュラムは、主として数学理論の究明と確立を試みる純粋数学に象徴される分野です。

近代社会の進歩を支えてきたのが数学であることは誰もが認めるところです。それは、自然科学の分野における発展にとどまりません。考えることを前提とする数学は、広く社会科学、金融・保険業などの発展をも支えてきました。

数学的な思考力は、今やどの分野にも求められる能力です。本専攻に学んだ経験は、その後の方向性を限定づけるものではありません。社会は確実に、数学に対する要請の度合いを高めています。

物理学専攻

物理学の研究対象は宇宙、地球、生物、固体、分子、原子、原子核、素粒子などと従来から幅広く、学問のボーダーレス化を牽引してきた分野と言えるかもしれません。理学研究科物理学専攻は、このような物理学の特質を長所としてとらえ、幅広い学識が求められる現代に即応した物理学研究を実施しています。他の研究科・専攻の授業科目の履修を可能にした点や、時々の注目すべき先端的研究課題を部門を越えて履修する「共通特別講義」(必修)は、カリキュラム上の大きな特色といえるでしょう。専門部門は「核・素粒子物理学」「物理学(2部門)」「応用物理学」「地球物理学」「天体物理学」「生物物理学」の7部門。また、国立および民間の先端的諸研究所とも提携しています。

「理化学研究所」、「NHK放送術研究所」、「電力中央研究所」等から客員教授を招へいし、最新の設備と機能を有する研究所での研究指導等を可能にした「連携大学院方式」を実施しています。

また、カリキュラム編成に止まらず、物理学の研究において有用な大型の研究装置を配備し、より確実で効果的な実験を可能にしています。例えば「高分解能電子顕微鏡」は、モニターを通して直接目で結晶中の原子の並びが観察できます。本専攻には、研究者として自立して研究活動を行う人材を育成するシステムが整っています。このシステムを有効に活用するには、自主的に学ぶ姿勢が必要であり、そしてそれこそが創造的能力の糧となるのです。

数理情報科学専攻

1990年代から始まったコンピュータ技術や通信技術の急速な進歩に伴い、コンピュータソフトウェア分野からの学部卒業生や修士課程修了生への需要が高まっています。これを受けて、確かな数理的・論理的思考力をもち、ますます多様化する知識基盤社会での情報技術の進歩に対して、状況を的確に把握・分析して、自らの思考力で柔軟に対応できる研究者、技術者、教員を育成するため、数理情報科学専攻が設置されました。

本専攻は、情報数理・統計数理・計算数理の3つの専門分野から構成されています。3分野はそれぞれが独立した存在ではなく、相互に関連し補完し合うものです。
情報数理分野は、情報の数理科学的本質を探究する研究領域です。急速に発展する情報技術を数理科学的側面から支えるための理論と応用について学習・研究します。 統計数理分野は、不確定な現象を解析・予測する手法を探求する研究領域です。大量のデータの中から本質的な情報を取り出して分析・解析するために不可欠な手法として、統計学・確率論について学習・研究します。 計算数理分野は、自然科学や社会科学の様々な現象を理解するための計算理論を探究する研究領域です。計算アルゴリズムの設計・ソフトウェア開発などに関する理論と応用について学習・研究します。

修士課程では、知識基盤社会を多様に支える高度で知的な素養のある人材の育成を視野に入れながら、研究者・技術者の育成と高度専門職業人の育成の両方に重点をおいて、人間性豊かな教養と高い倫理観を備え、情報の数理科学的分析に関する専門的知識・技能を有し、社会の各分野における情報関係部署においてリーダーシップを発揮できる人材を育成します。
博士後期課程では、創造性豊かな優れた研究・開発能力を持つ研究者等の育成、高度な専門的知識・能力を持つ高度専門職業人の育成、確かな教育能力と研究能力を兼ね備えた大学教員の育成に重点を置いています。修士課程の人材育成目標に加え、自らの研究分野の深化・発展・開拓のため「問題設定能力」及び「問題解決能力」を備えた人材を育成します。

応用物理学専攻

人類・社会の持続的発展を目指した広い分野への物理学の応用、更には物理学的視点に立脚して学際領域の学問や産業の芽を興すことに挑戦する学問を応用物理学と位置付け、21世紀の社会的要請に応える新たな教育・研究を実践することを趣旨とします。 この趣旨のもと、人間性豊かな教養と高い倫理観を備え、物理学の基礎を身に付け、その成果を広い分野において先端的な応用に結び付ける視点を持った「理工両道」の研究者・技術者・教育者の育成を目指します。

修士課程では、理論や基礎を学ぶのみでなく、例えば「物質科学とその応用」の教育研究を通して、様々な物質の応用や製造・加工プロセスについても幅広く実践的に学び、「確かな体系的基礎」とともに「応用に関する幅広い知識・視野」を養います。また、研究活動を通して「精緻な論理的思考能力」や「研究推進能力・問題解決能力」を養います。これらに加えて、「学際的視点」を涵養し、「確かな物理学の基礎を身に着け、広い分野でその応用を可能とする、21世紀の社会が求める高い志を持って研究開発等に携わる専門的職業人の育成」を目標とします。

博士後期課程では、修士課程の目標に加え、研究者・技術者として最も重要となる「問題設定能力」を養います。また、応用物理学に関する高度な教育研究を通して「精緻な論理的思考能力」や「研究推進能力・問題解決能力」をより一層磨くとともに、国際会議での発表等を通して「国際性」を養います。これらに加えて、「コミュニケーション能力」、「研究管理能力」等の科学技術者としての素養を涵養し、「広い視野を持ち、科学技術分野を俯瞰できる力を備えた21世紀の社会が求める指導者たり得る研究者ならびに高度専門的職業人の育成」を目標とします。
専門分野は「物質科学とその応用」「光物理とその応用」「知能・知覚物理」の3分野です。
「物質科学とその応用」では、半導体、超伝導体、誘電体、磁性体といった物質の特性やその応用に関して広く学ぶと同時に、それらをまったく異なるものとして捉えるのではなく、物質が示す物性として広く体系的に研究を行います。
「光物理とその応用」では、可視光線だけでなく、赤外線やX線を含めた電磁波全体を対象として、光触媒を利用したクリーンエネルギーの創成、光の干渉を利用した超精密測定、情報記録・伝送のためのホログラム、電磁波を利用した物質の構造解析等の教育研究を行います。
「知能・知覚物理」では、物理学的視点から「知能」を理解することを目指して、脳の高次機能、脳の数理モデル、知能情報システム等について教育研究を行います。

総合化学研究科

総合化学研究科では、現代社会が直面する環境保全・エネルギー資源の確保および難病克服等に関するグローバルな課題の解決に向け、理学・工学の化学系研究者が個々の独創的な研究分野における先端的な技術を発展させつつ、縦割りの研究意識を排しながら結集し、互いの研究内容をよく認識しあい、バリアフリーな教育研究環境と密接な協力体制を構築します。理学の知と工学の知を融合させ、現代社会のグローバルな課題に機動的に対処しつつ先端的な教育と研究を行います。

修士課程
物質の性質と変化を深く理解する基礎学力を身につけた技術者の育成に重点を置きつつ、社会に必要な物質・エネルギーを創製・開発する能力や、地球環境、生命現象に関する高度の知識を身に付け、住みよい社会を持続的に構築してゆくことに貢献できる能力を備え、社会的良心に溢れた、広範な分野で活躍できる研究者の育成もはかっていきます。
博士後期課程
化学に関連する卓越した専門性と国際的な感覚を身に付け、新たな学問領域の開拓を先導し、活発な学会活動を展開することのできる第一線の研究者、新たな化学技術の開発とともに住みよい社会の持続的な構築を主導することのできる、第一線の技術者を育成します。総合化学研究科総合化学専攻には、基礎化学、応用化学および工業化学に至る幅広い分野の融合を図り「分子集積・分子科学コース」「合成・反応有機化学コース」「機能・生体材料化学コース」「エネルギー・環境化学コース」「工業化学コース」の5コースが設置されます。

総合化学専攻

現代社会が直面する環境保全・エネルギー資源の確保および難病克服等に関するグローバルな課題の解決に向け、理学・工学の化学系研究者が個々の独創的な研究分野における先端的な技術を発展させつつ、縦割りの研究意識を排しながら結集し、互いの研究内容をよく認識しあい、バリアフリーな教育研究環境と密接な協力体制を構築。理学の知と工学の知を融合させ、現代社会のグローバルな課題に機動的に対処しつつ先端的な教育と研究を行います。

修士課程
物質の性質と変化を深く理解する基礎学力を身につけるとともに、社会に必要な物質・エネルギーを創製・開発する能力や、地球環境、生命現象に関する高度の知識を身に付け、住みよい社会を持続的に構築してゆくことに貢献できる能力を備え、社会的良心に溢れた、広範な分野で活躍できる研究者・技術者の育成をはかっていきます。
博士後期課程
化学に関連する卓越した専門性と国際的な感覚を身に付け、新たな学問領域の開拓を先導し、活発な学会活動を展開することのできる第一線の研究者、および新たな化学技術の開発とともに住みよい社会の持続的な構築を主導することのできる、第一線の技術者を育成します。

科学教育研究科

科学教育研究科修士課程では、先端的分野に至るまでの理学を広く包括的に理解し、その成果を正しく教授し、中等教育における高度の専門的知識と教授スキルをもつ理数系教員の育成を目指すとともに、現職教員の再教育を行います。また、教育現場だけではなく、広い分野において、科学的知識や技術に関する教育の普及と啓発を行い、科学的良識をもつ市民(Educated Citizen)の育成に貢献する人材を育成します。

科学教育研究科博士後期課程では、数学・理学分野、中等数学教育・理科教育分野で自立した高度な研究を遂行する能力を備えた人材の育成を中心とし、あわせて高度な科学教育活動のコアになれる人材を育成します。

>1998年に大学院理学研究科理数教育専攻を設置して以来10年以上が経過した現在、中等教育をめぐる環境は大きく変容しました。理数教育専攻における教育研究にも以下のような新たな課題が生じてきています。

  1. 大学院レベルにおける専門科目と教育科目両方の高度専門能力を持った理数教員の育成
  2. 理数教科の学力向上等に対応できる実践的課題解決力とティーチングスキルを持つ教員の育成
  3. 科学技術の発展における数学と理学の役割の重要性をこれまで以上に認識した教員の育成
  4. 科学技術の発展から派生する社会現象、倫理上の問題等に対し、正確かつ公正な認識をもって対応できるサイエンスコミュニケータや理科教員の育成

これらの課題に応えることを目的として、理数教育専攻がこれまで果たしてきた役割や機能を発展・拡充し、新たに科学教育研究科修士課程科学教育専攻(数学コース、理科コース)を設置します。本研究科では、これまでの中等数学科・理科教員育成をさらに強化するとともに、東京理科大学の「理学の普及」という建学理念を、学校教育現場のみならず一般市民も含むより広い人々を対象とする「科学教育」すなわち「科学的知識・技能の教育・普及・啓発活動の推進」へと発展させ、社会の各分野でこの「科学教育」に貢献する人材の育成も行うことを目的とします。
本研究科修士課程では、「科学教育」の教育研究に従事する研究者等の育成も視野にいれつつ、主としては、高度専門職業人としての優れた数学科・理科教員育成のさらなる強化に努めます。また、学部新卒業生のみならず、国公私立高等学校および中学校の現職教員を受け入れ、新しく教員となる人材の育成とともに、現職教員のリフレッシュ教育についてもその充実を図ります。そのために講義は昼夜開講されています。加えて知識基盤社会を多様に支える、高度で知的な素養のある人材として、社会の広い分野で科学的知識・技能に関する教育や普及及び啓発を行い、科学的に良識のある市民(Educated Citizen)の育成に貢献する人材を育成します。

さらに科学教育研究科博士後期課程では、数学・理学分野、中等数学教育・理学教育分野で自立したより高度な研究を遂行する能力を備えた人材の育成を中心とし、あわせて高度な科学教育活動のコアになれる人材を育成します。

科学教育専攻

修士課程では、以下のような新たな課題に応えていきます。

  1. 大学院レベルにおける専門科目と教育科目両方の高度専門能力を持った理数教員の育成
  2. 理数教科の学力向上等に対応できる実践的課題解決力とティーチングスキルを持つ教員の育成
  3. 科学技術の発展における数学と理学の役割の重要性をこれまで以上に認識した教員の育成
  4. 科学技術の発展から派生する社会現象、倫理上の問題等に対し、正確かつ公正な認識をもって対応できるサイエンスコミュニケータや理科教員の育成

これまでの中等数学科・理科教員育成をさらに強化するとともに、東京理科大学の「理学の普及」という建学理念を、学校教育現場のみならず一般市民も含むより広い人々を対象とする「科学教育」すなわち「科学的知識・技能の教育・普及・啓発活動の推進」へと発展させ、社会の各分野でこの「科学教育」に貢献する人材の育成も行うことを目的とします。

「科学教育」の教育研究に従事する研究者等の育成も視野にいれつつ、主としては、高度専門職業人としての優れた数学科・理科教員育成のさらなる強化に努めます。また、学部新卒業生のみならず、国公私立高等学校および中学校の現職教員を受け入れ、新しく教員となる人材の育成とともに、現職教員のリフレッシュ教育についてもその充実を図ります。そのために講義は昼夜開講されています。加えて知識基盤社会を多様に支える、高度で知的な素養のある人材として、社会の広い分野で科学的知識・技能に関する教育や普及及び啓発を行い、科学的に良識のある市民(Educated Citizen)の育成に貢献する人材を育成します。

博士後期課程では、数学・理学分野、中等数学教育・理科教育分野で自立した高度な研究を遂行する能力を備えた人材の育成を中心とし、あわせて高度な科学教育活動のコアになれる人材を育成します。

工学研究科

工学研究科は、2009年より総合化学研究科総合化学専攻として再編された工業化学専攻を除く4専攻(建築学・電気工学・経営工学・機械工学)から成り立っています。大学院への進学希望者が多様化する今日の状況をふまえ、工学部第一部ならびに第二部の卒業予定者のうち成績優秀者に対する学内推薦入学制度の導入や修士課程入学者の受け入れ枠の拡大、他研究科に先駆けての社会人特別選抜制度の実施、昼夜開講制の導入といった試みを次々と実行に移し、多様なニーズにいち早く対応してきました。現在は4専攻あわせて200名程度の大学院生(修士課程)を毎年受け入れています。本研究科では社会の要請に応え、基礎的、先駆的研究を遂行するとともに、研究成果の発表の場として国内で開催される学会はもとより海外で開催される国際会議なども視野に入れ、積極性を育む教育・研究を行っています。また、研究科内に共同研究プロジェクトを設け、先進的な研究や優れた技術開発力を備えた人材を育成しています。

建築学専攻

建築は人間生活の基盤である。正に人類の歴史、文化そのものであると言っても過言ではない。このように重要な社会的基盤をハード・ソフト両面から築き、保全していくための建築学は、よく言われるように、学術、芸術、技術が三位一体となった総合学であり、その領域は単に工学にとどまらず、生物学から社会、経済、文化、人類学等に及び、極めて学際的色彩が強い。

このような建築学は、4年制のカリキュラムで学び尽くせるものではないことからも大学院教育へのニーズは高いが、学部教育の上に立って、より深く専門領域を究め、より広く学際的な素養を身につけるための場として、大学院は極めて有益な存在といえる。

地球環境や長寿社会の問題、国際化・情報化の波の中で大きく揺れ動く現代社会にあって、高度な専門知識とともに確たる哲学を持つ人間、すなわち専門領域を探求しつつ、地球全体の中での建築の在り方を見据えていくことのできる人材の育成を我々は意図している。

本建築学専攻では、建築学を大きく計画、環境、構造の3部門に分けて研究・教育を行っているが、研究専門分野としては、別表のように、建築意匠、設計計画、建築史、空間論、構法計画、安全計画、音・振動環境、空気環境、水環境、構造計画、金属系構造、コンクリート系構造などがある。

大学院進学に当たっては、予め専攻する研究分野やテーマについて、遠慮なく該当する指導教員と相談し、少なくとも専攻部門と研究室を決めておく必要がある。大学院はいわば社会と大学の接点であり、今後どのような建築が社会的に要求されていくか、またその建築に諸君がどのように関わっていくか、慎重に考えて決断してほしい。

大学院においては、何より、それぞれの研究室で主体的に研究に従事し、その成果を修士ないしは博士論文として体系的にまとめ上げることに大きな意義がある。更に、指導教員や仲間との全人格的な付き合いで得られる人間関係は、何物にも代え難い財産となろう。また、学内の講義を聴くことも大切であるが、都市型大学である本研究科の特長を生かして、他の大学院や研究所と大いに交流を図ることが望まれる。

大学院修了後の途は、より高い視点と能力を持った技術者、研究者、設計者、企画者として広く斯界に開かれており、多数の諸先輩が活躍している。しかしながら、修士、博士の学位といえども決してゴールではなく、本籍が定まり、将来への免許証を手にしたと心得て、大いに研鑽に励むべきである。

電気工学専攻

日常生活における電気の恩恵を語るまでもなく、われわれは今、電気に囲まれた生活を送っています。そしてそれは、「意識」の有無にかかわらず現代社会に広く深く浸透してきました。高度情報通信化が希求され、マルチメディア社会の到来が予見される今日、電気の普及は一層加速度を増すことは間違いありません。

日ごろなにげなく使っている家電製品や、われわれの生活を支える産業機械などには最近必ず制御システムが組み込まれていて、それを扱うのも電気工学です。電気工学は、いまや材料、情報、エネルギー、計測・制御分野などに亘り、学問的に広い体系をなしているといえるわけです。その内容は基礎から最先端まで含まれ、幅広い分野にかかわっています。科学・技術のボーダレス化が進展するであろう今後、電気工学の果たすべき役割はますます増えることでしょう。

工学研究科電気工学専攻の専門分野は「材料・エレクトロニクス」「通信・情報」「エネルギー・制御」の3部門で構成されます。もちろん、これらは単独で発展をしているわけではなく、深いところで複雑に絡み合うことで、有効な実験や研究が進められています。その内容が最先端の研究であることはいうまでもありません。本専攻に学ぶ者は、修士課程といえどもそれぞれの分野における著名な学会で研究成果を発表するなど、研究者としての自覚が植え付けられることでしょう。

電気工学は、前述のとおりあらゆる分野に求められる現代社会の基盤となる学問です。その汎用性は極めて高く、本専攻に学んだ後、他分野に進出することも十分可能です。

経営工学専攻

社会は大勢の人の助け合いや協力によって成り立っています。そしてそれを支える仕組みは一般にシステムと呼ばれ、企業、役所、学校、病院、通信施設など、われわれを取り巻くあらゆるところで、それぞれのシステムが稼働しています。

経営工学専攻は、工学的手法を用いてシステムの効率的な管理・運営を実現する学問です。その実践には、数学やコンピュータを駆使し、人間や環境の特性を科学的に見極める力が要求されます。そのため本専攻では、次のような部門を用意し、専門家の育成に努めています。

「経営計画」は、システムの最適な設計と利用のための方針を研究する分野です。人間と環境のインターフェースに注意しながら、どのような思想、戦略でシステムを作り上げるかを研究します。

「質管理工学」は、効率化、質の向上などシステム全体の質を管理するための研究を行います。

「数理工学」と「情報工学」は、目的の達成に最適な手段や道具立てを用意するために、数学的手法、計算機技術を開発し、それらのシステム管理への適用を研究します。

各研究室の交流が活発な点も、本専攻の大きな特長です。学内では、経営、質管理、数学、コンピュータのエキスパートが共同討論を実施します。また、学内の理学部、理工学部、経営学部といった学部はもちろん、東京大学、東京工業大学など、他の大学との共同研究の場も確保されています。企業の研究者との連携も行われ、実践現場の提供にも意が注がれています。もちろん、経営工学の研究に欠かせないコンピュータの更新には最新の注意を払っており、新しいコンピュータシステムを自由に使用できる環境を整えています。

機械工学専攻

日ごろ、われわれが何気なく使ったり利用しているあらゆるモノが、実は機械工学の発達によって生みだされたものであることは、みなさんはすでにご存じのはずです。たとえば新幹線、自動車、航空機、宇宙往還機、ガスタービン、原子力発電、産業機械、住宅、ロボット・・・・・身近な日用雑貨から壮大なロケットや宇宙ステーションに至るまで、およそ人工物としてかたちのあるものすべてが該当するといってもいいでしょう。

しかし、人間の限りない欲求は、時に自然との調和に対する配慮を欠き、ここにきて人間の生活を脅かす事態も生じるようになってきました。最近話題の地球の温暖化などが、その端的な例といえるでしょう。

これからの機械工学を語るとき、自然との調和を無視するわけにはいきません。そこには材料や機械の知能化・システム化・適応化はもとより、福祉や医療への貢献、そしてエネルギーの有効利用や環境保全など、あらゆるテーマが見え隠れします。100%リサイクル可能な材料や機械、薬や放射線を局所に運んでくれるマイクロマシンなど、まだまだたくさんの課題が、機械工学には残されているのです。

本専攻では、材料、熱、流体、力学、設計の機械工学5分野の基礎と、先端分野の科学技術の進展を見極めたゼミや演習と実験、そして修士論文研究のバランスのとれたカリキュラムが組まれていて、先端的研究に対応できる能力の開発と育成に努めています。なかでも修士論文研究は少人数体制による丁寧な指導のもと、自主的な研究が推進され、先端科学技術に関する研究テーマが追究されています。また、各専門学会での活動や研究成果の発表を奨励しているのも本専攻の特徴です。

薬学研究科

本学薬学部では、平成18年からの新薬学教育制度の施行に伴い、医療人としての質の高い薬剤師を育成する6年制の薬学科と薬学分野の研究者・技術者を育成する4年制の生命創薬科学科が誕生しました。それに併せて、薬学研究科も改組が行われ、平成22年4月、従来の薬学専攻修士課程は募集停止となり、新たに生命創薬科学科を基礎とする薬科学専攻修士課程が設置されました。さらに平成24年4月、従来の薬学専攻博士後期課程は募集停止となり、薬科学専攻博士後期課程と薬学科(6年制課程)を基礎とする薬学専攻博士課程が新たに設置されました。
以上に掲げた課程を設置する本研究科の目的は、学部教育の上に立って広い視野で高度な専門的知識を培い、薬学関連領域をさらに発展させるための研究・教育を行うことによって、高度化する医療を医薬品の観点から支えることのできる優れた能力をもった人材を育成し、人類の健康と福祉に貢献することです。
薬科学専攻博士後期課程ならびに薬学専攻博士課程では社会人特別選抜制度を導入し、実社会で活躍中の研究者・技術者に門戸を開放しています。また、優れた実績を持つ教員スタッフが揃い、薬学研究に不可欠な最先端の研究施設や測定機器を完備するなど、理想的な環境のもとで活発な研究・教育が展開されています。

薬科学専攻

薬学は一般に、医薬品の創製や製造といった薬剤に関する専門技術の総称として理解されているようです。しかしその本質は、物理化学から有機化学、さらには生物科学まで広く自然科学全般を基礎におく応用科学であり、その実用に向けて医療への応用を常に視野に入れた、生命倫理に立脚した科学なのです。この意味で薬学は、医学でも理学でも工学でもない独自の科学であると言えるでしょう。

本専攻では人間性豊かな教養と高い倫理観を備え、薬学の基礎から専門までを深く身に付けるとともに、様々な社会的ニーズに対しても応えられる問題解決能力を有する研究者、技術者等の育成を目指しています。本専攻修士課程では、学部教育で学び得た学問を基に、様々な薬科学関連分野での応用展開の教育研究を通して、人類の健康と社会福祉に貢献できる人材の育成に力を注いでいます。

また、本専攻は生命創薬科学科を基礎とする専攻であり、創薬科学等をはじめとする多様な薬科学関連領域を習得した研究者・技術者の育成が主な目的ですが、創薬科学と生命薬科学分野のみならず、医薬品の毒性、環境への影響等に関係する医薬科学も重要な柱となっているところに大きな特色があります。

薬学専攻

東京理科大学薬学部では、平成18年度から新薬学教育制度が施行されたことにともない、6年制の薬学科において薬剤師等を育成する新課程の学部教育が開始されました。また同時に、創薬科学等をはじめとする研究者・技術者等を育成するための、4年制の生命創薬科学科を併設し、学部教育を行っています。さらに、平成22年度に「薬学研究科薬科学専攻修士課程」を設置し、さらに平成24年度から「同博士後期課程」を設置し、4年制学科卒業後の大学院教育の推進を図っています。他方、6年制学科では、医療薬学を中心に基礎学力と専門知識を有する質の高い薬剤師等の育成を目指した教育を行っていますが、それに立脚して、さらに医療の現場における医薬品の使用の課題を対象とする研究領域や将来の医薬品開発のあるべき方向性等を提案できる「研究心」、ならびに疾患別の化学療法に長けた「専門職能」を有する薬剤師等を育成することに重点をおいた医療薬学・臨床薬学等に関する教育研究が行われています。

この新しい薬学教育体制の下で、6年制学部教育に基礎を置く博士課程において育成すべき人材像は、病院・薬局で働く高度な職能を持った薬剤師に加え、医薬品承認審査、公衆衛生等の行政従事者、薬学教育に携わる教員等、多様です。また、基礎薬科学領域の研究者に加えて医療薬学・臨床薬学研究を担う研究者の育成も重要であり、研究者育成体制とキャリアパスの整備が欠かせません。このような観点を重視して、本学では、人間性豊かな教養と高い倫理観をもち医療面での社会的ニーズに対しても的確に対応できる問題解決能力を有し、国際的にも通用し、信頼される薬剤師等を育成することを目指す「薬学専攻博士課程」を設置するに至りました。

本課程の趣旨は、近年の高度化医療、テーラーメイド医療、医薬分業の発展に伴い、医薬品の安全で適正な使用を倫理面をも配慮して行うことのできる質の高い薬剤師等を育成することです。ここでは、医療の現場における臨床的な課題を対象とする研究領域を中心とした高度な専門性や優れた研究能力を有する薬剤師等の育成に重点をおいた医療薬学・臨床薬学に関する教育研究を主に行います。本課程では、学部教育を基礎として、4年一貫の博士課程で高度な専門性や優れた研究能力を身につけ、さらに医療薬学に関する諸問題に対して解決策を見出す能力を養うことを通して、人類の健康と社会福祉に貢献できるヒューマニティーに富んだ研究心のある薬剤師等の優秀な人材を育成します。

理工学研究科

理工学研究科は、理学系4専攻(数学・物理学・情報科学・応用生物科学)と、工学系6専攻(建築学・工業化学・電気工学・経営工学・機械工学・土木工学)の10専攻で構成され、理学系と工学系の融合を計りながら研究と教育の充実につとめています。特に、学生の自発的な勉学意欲の醸成につとめ、毎年30名近い博士と500名に及ぶ修士修了生を社会に送り出しています。併せて図書館やコンピュータ・ネットワーク環境といった学習施設も拡充し、さらに、最新の研究施設・設備が点在する広大なキャンパスは、国内屈指の教育・研究環境といえます。なお、11の公的ならびに民間の研究所と「連携大学院方式」による教育研究の協力体制を確立しており、国内だけではなく海外からの客員教員の招聘や共同研究にも積極的に取り組んでいます。

数学専攻

今日、宇宙技術、銀行オンラインシステム、各種生産技術、社会分析・経済分析などの調査・予測はいうに及ばず、それ以外のいたるところで、数学そのもの、あるいは数学的な考え方や方法が使われています。高度に複雑な現代社会において、数学あるいは数学的取扱方法に慣れ親しむことは、われわれが自己の生活を確立し、仕事を遂行していく上で重要な武器となるでしょう。

本専攻は、構造数理、空間数理、基幹解析、数理解析の4部門から構成されます。その底流には、学問系統は従来の人文科学、社会科学、自然科学のほかに、4番目の系統である数理科学で構成されるとの見地があり、研究教育を行っています。

修士課程の学生は当初、正統的な数学の基礎的学力の向上を目指します。授業は三科目程度の履修ですが、週に1~2回のセミナーでは討論形式での個人指導が行われ、問題意識の発現が促されます。2年目に入るとテーマを決めて、それに関連する論文を読むなどして修士課程の集大成である修士論文へ進んでいきます。もちろんその間、指導教員との議論などによって、テーマをより深遠に探究するのはいうまでもありません。

教育体制は個別指導が基本です。学生と教員の1対1の討論形式のセミナーを通じ、学生の能力を最大限に引き出すことによってこそ、数学にとって不可欠な固有の直感力と把握力ははぐくまれていくからです。未知の分野の深遠な暗闇を体験し、その中で見いだした一筋の光明こそ、研究への牽引力となるものです。ここでは、自由な思考と斬新なアイデアを大切にした教育が行われています。

物理学専攻

物理学は、学際領域をとりこんでどんどん発展していきます。そして科学・技術の基礎をつくるのがこの分野の研究です。 本専攻では「原子核・素粒子・宇宙」の分野の理論・実験から「磁性・高温超伝導・半導体・固体表面・結晶・不規則系」など物性物理の分野の理論・実験、および「量子エレクトロニクス・非線形光学」などの応用物理の分野にわたって研究・教育を行っています。また、連携大学院方式を導入して、多くの国立の研究所と手を組み、研究領域を拡大しています。

情報科学専攻

情報を数量化し、情報の役割や影響を数理的に解明するのが情報科学です。情報科学を現実問題の解決に役立てるためには、計算機による情報処理が重要です。理工学研究科情報科学専攻では

  1. 基礎数理情報
  2. 応用数理情報
  3. 計算機科学

を3つの柱に、次のような研究実践のなかから総合的な知識を持った研究者、技術者の育成にあたっています。

基礎数理情報/解析学、集合・論理、線形空間、量子エントロピー、量子情報理論、力学系の理論、応用代数学、計算数学、計算の複雑さ、などの情報数理の根幹をなす分野がそろう。

応用数理情報/実用上の問題へ情報数理を応用するために、応用確率統計、数理統計学、組合せ論、生命情報学などがある。

計算機科学/基礎的な理論として、計算モデル論、応用論理学、計算理論がありソフトウェアの設計や開発に関して、プログラム言語論、ソフトウェア基礎論、生体情報論、人工知能特論も。

通常の授業のほかに、研究室ごとの少人数のセミナーには特に力が入れられ、基礎的な学力や研究能力の向上に役立っています。また、国際的に活躍する教員が多く、毎年のように外国の教員や研究者を受け入れているのも本専攻の大きな特色といえます。頻繁に行われるセミナーや研究指導が、学生の研究に常に刺激を与えてくれるわけです。さらに計算機ネットワークの環境整備は著しく、だれでも自由に高速計算機を利用する事が可能。学生によるネットワーク委員会も組織され、容易にネットワーク運用の技術を取得することができるように工夫されています。

応用生物科学専攻

生物現象を物理的・科学的原理をもとに理解し、生命世界固有の原理を追究。また、基礎医学、有用物質の生産、環境問題などの応用の可能性についても研究するのが応用生物科学です。生命が命題ですから、人類にとって最も重要な課題と深く結びついた最先端科学ということができるでしょう。

理工学研究科応用生物科学専攻の専門分野は、生物化学、分子細胞学、発生生物学、分子病態学、光生物学、環境情報生物学、応用微生物学、微生物生態学、微生物分子生物学、生体物質化学、酵素学、生物物理学、生物有機化学の13部門からなりますが、その目的は、生命を個体レベル・細胞レベル・分子レベルの現象としてとらえ、その中にある原理の解明に向けられます。具体的には

  1. 個体レベル・細胞レベルの現象を対象にした生物学的・生理学的研究
  2. 生命現象の分子生物学的・数理的解析
  3. 生命現象の化学的・生化学的解析

が行われるわけです。

本学が誇る「連携大学院方式」は本専攻にも生かされ、産業技術総合研究所、国立感染症研究所、食品総合研究所、東京都医学研究機構(東京都臨床医学総合研究所)の研究員が客員教員として加わり、学際領域における最新の研究体制が整えられています。

また、その卒業生の活躍するエリアは極めて広く、研究者として国際的な舞台で先端研究に臨む者、あるいは企業の研究所や公立試験研究機関のメンバーとして活躍する者、さらには中等教育機関の教員や、専門分野における国家公務員として登用されています。実験研究者として欠かせない柔軟な思考と生物への関心を持ち、物理学や化学の言葉で生命現象を理解しようとする入学者を歓迎します。

建築学専攻

温暖化に象徴され、地球規模で進行する環境問題、日本の将来を考える上で見逃すことのできない少子化や高齢化、それに光ファイバーの敷設によって本格到来するであろう高度情報通信化。21世紀の到来にあたって、われわれに課された諸問題を数え上げたらきりがありません。そしてこれらのすべてが、実は建築学と深くつながっているのです。

環境に与える建築物の影響は美観ばかりに限りません。バリアフリーやユニバーサルデザインは、まさに建築の課題です。高度に情報化された社会でその機会を有効に活用するために、建築の観点が求められています。建築学への期待は、もはやモノづくりという技術の世界に止まらないのです。安全性と快適性を備え、目的・機能を満たす空間を構築する総合技術、そして科学として、建築学が注目を集めています。

理工学研究科建築学専攻の専門分野は「建築計画学」「建築設計学」「建築史学」「都市計画学」「建築構造学」「構造力学」「建築材料学」「建築防災学」「建築環境工学」の9部門で、これらが縦横に絡み合いながら、実験や演習を主体とした研究が進められます。

理工学系の建築学は、美観に象徴される空間デザインなど、芸術的側面が重視される特徴があります。また、地震や火災などの災害に対する安全性を確保するための技術や、建築空間の快適性を確保するための設備として、OAシステムを含めた技術的側面が重視される傾向もあります。これらは、研究の成果というよりも、社会的ニーズを取り込んだ結果としてもたらされたものといえるでしょう。建築学では適性に合う分野の選択が特に大切です。物理学的内容から芸術的内容まで、多様な研究を内包する本専攻では、それは十分可能です。

工業化学専攻

人類の生存はエネルギー、マテリアル、情報(エレクトロニクス、コンピュータ)、生物、環境、宇宙に関わる研究開発の発展なしにはあり得ません。本専攻では、このうちエネルギーとマテリアル分野の研究開発を対象とし、それを行うことのできる学術能力のある21世紀の科学枝術発展を担う科学者を育成することを目標としています。

専攻部門には有機化学、無機化学、物埋化学、分析化学、化学工学があります。学部での基礎学力を踏まえて、内容をより一段と高度にするのはもちろんですが、それだけで先進的な研究開発は達成できるものではありません。深めれば深めるほど研究は専攻部門を越えて異分野にまたがり、その境界領城を理解し踏破する必要が生じます。それに対応するには、新しい知識と柔軟な考え方を養わなければなりません。「連携大学院方式」は、ボーダレス化する学問の現実に照らし、先端的な研究を行う研究所と手を結ぶことによって、客員教員の招へい等を行うというものです。理工学研究科では産業技術総合研究所をはじめ多くの研究所と連携を組み、独創的なカリキュラムを実践しています。

また本専攻は、研究方針と実験結果のディスカッションとにもとづいた学生自らの積極的な研究の推進を奨励しています。その実践は修士課程段階での学会発表や、レフェリー付論文の作成などとして課され、研究者としての自覚を促します。もちろんバックアップ体制は万全です。例えば、海外発表を行う者に対しては、専攻独自の基金より選考によって渡航費を支給するほか、大型測定装置、コンピュータ、ネットワークなどは最新の設備を揃えております。例年、出身者の大半は大手製造業へ研究職、技術職として就職し、数名が博士課程に進学しています。

電気工学専攻

マスコミが実施する大学生の就職希望調査によると、理科系学生の人気企業として、例年多くの電気関連企業が含まれています。加えて、その募集人員も他分野を圧倒するほどで、この事実は技術立国を目指すわが国において、「電気工学」が重要な基礎技術のひとつとして認知されていることを端的に物語るものといえるでしょう。また、最近では産業構造の変革が強く求められていますが、電気工学が今後の情報化社会を牽引していく中核として位置づけられていることは疑いようもありません。

理工学研究科電気工学専攻では、マルチメディア時代の中核を担う画像情報処理や情報セキュリティ、またデジタル伝送方式や光通信・移動体通信等の情報通信関連の諸研究、「産業の米」と呼ばれる集積回路や半導体デバイス、さらには電子材料を研究するエレクトロニクス関係の研究や、電気工学を構成する重要な分野としてエネルギー・制御系、核融合プラズマや超高速モーター、放電や静電気応用の研究も活発に行われています。

また、ボーダレス化する学問への対応として「連携大学院方式」を導入。産業技術総合研究所などの研究所と連携し、最先端の指導が受けられるようなシステムが施されています。

本専攻は、博士課程はいうまでもなく、修士課程を修了した学生でも第一線の研究開発職に就いて活躍できることを目標とします。実際、本専攻の修了生は、電気系の企業をはじめとして、多くの企業から高い評価を受けており、景気の動向に左右されない恵まれた就職環境にあります。なかには在学中の研究発表が認められ、大企業の研究所等から名指しで就職の勧誘を受ける学生もかなりいます。

経営工学専攻

現代の企業経営は情報によって支えられていると言っても過言ではありません。どれ程秀れたモノ造りの技術があっても、黙って座しているのみでは、受注も販売も望めません。社会にとって「情報」を迅速に処理し、的確に意思決定する術の重要性は、日に日に高まっています。

経営工学とは、応用数学や計算機科学などの基礎技術に立脚して、生産工学、情報工学、システム工学、経営数理などを総合的に研究する学問です。ハードウェアの研究が主体の工学のなかにあって、その視線はソフトウェアに注がれています。工学的センスを持って工学を組み上げるという、まさに高度に情報化・通信化する時代の申し子のような学問領域といえるでしょう。

経営工学は時代が要請して誕生した学問分野です。本専攻に学べば、国際ビジネスに展開できるような英語力や数理的知識はもちろん、ネットワークコンピューティング、インターネット言語、人工知能などの最新の情報処理技術が自ずと身に付き、未来型情報処理に向けての創造性が養われましょう。さらに、エネルギー環境問題といった大規模システムのモデリング技術や最新最適化の技法を習得できるため、企業のブレーンとしての活躍も期待されます。

機械工学専攻

日本の大学の工学系学部には、ほとんどすべて機械工学科が設置されています。それは、機械工学が技術立国を自認する日本を根底から支え、近年の目覚ましい技術改革に大きな役割を果たした、工学の基幹ともいうべき学問分野であるからにほかなりません。

例えばロボット、エネルギー、自動車、ロケット、鉄道、エレクトロニクス、バイオテクノロジーなどの先進的技術は、すべてその基礎となる大きな部分を機械工学に負っています。機械工学は、近代から現代の科学の成果を直接に役立てていく学問分野といえるでしょう。

本専攻は、材料力学、材料学、流体力学、熱力学、機械力学、設計工学、加工学の分野からなっており、その研究の内容は、

  • メゾスコッピクな視点からの破壊メカニズムの探求とその計算機シミュレーション
  • スペースシャトルへの高速隕石衝突や次世代航空機複合材料における損傷特性解明
  • 環境問題解決のための微粒子群、液滴群と気泡群の流体力学
  • スーパーコンピューターを用いた乱流の計算機シミュレーション
  • 宇宙ステーションでの実験を目指す微小重力下における熱流体力学
  • 省エネルギー機器の開発研究
  • マイクロ機械工学や医療・生体を視野に入れた熱工学
  • あらゆる機械装置の実現手段として重要な加工学におけるインプロセスセンシングと制御、加工用ロボット、振動抑制、超精密加工面の研究

など、先進的かつ多方面に広がっています。

これらに加えて、「連携大学院方式」によって産業技術総合研究所との連携を図り、連携先の研究所においても研究を実施することにより、さらに幅広い研究を可能としています。

本専攻は、コンピュータをはじめとする研究設備の充実や国際学会への参加・発表の奨励等、研究環境も充実しており、あらゆる自然現象・機械装置のメカニズムや地球環境と人間生活の調和に関心を持ち、研究と勉学に意欲のある学生諸君の入学を希望します。

土木工学専攻

道路、鉄道、ダム、電気・ガス等のエネルギー供給施設、通信施設、上下水道、都市施設、港湾、空港等々、われわれの生活に不可欠な各種施設を設計・施工したり、それらが十分に機能するように維持管理してゆくことが土木工学に課せられた任務です。

我国の土木工学の水準は、本四架橋、青函トンネル、東京湾横断道路の例に見られるとおり、世界レベルにあると思われます。先端的な施工の自動化・無人化・ロボット化はそのレベルを維持する背景になっています。

このような土木分野へ院生を送り出すわけですが、大切なことは基礎力のある院生の育成であると考えられます。それ故、本土木工学専攻のカリキュラム体系は、構造力学、水理学、土質力学、土木材料学、環境工学、土木計画学を基本としたものであって、学部の教育をもとにそれぞれの指導教員の研究分野に関連したものをより深く学習し、研究課題を進める形になっています。関連する研究室の教員の講義や他専攻の講義を受けることもあり、柔軟な運営となっています。最終目的は、修士論文の提出にありますが、途中で研究の外部での発表を課しており、そのことが論文作成、講演の演習にもなっております。

基礎工学研究科

電子応用工学、材料工学、生物工学の3専攻からなる基礎工学研究科では、バイオ・IT・ナノテクノロジー・先端材料などを軸に、重要な先端的科学・技術分野のハイレベルな専門教育を展開しています。特に、これらの分野の横断的・融合的研究の発展がますます重要であることを視野に入れ、基礎工学研究科では各専攻間の横断的研究・教育を進めており、広い視野をもって新しい科学・技術を開拓・創造できる人材の育成を目指していることが特色といえます。既に、他研究科専攻と相互乗入れを実施、または視野に入れて、研究・教育活動を進めています。常に新しい時代の大学院教育を視野に入れ、新鮮でダイナミックな研究・教育体制を発展させ、研究および人材育成で世界に貢献していくことが目的です。

電子応用工学専攻

現代産業の発展の原動力となっている電子工学の、産業分野への応用を追究するのが電子応用工学。電子デバ イス、情報処理、計測制御などの科学技術の世界で、先端的役割を担った学問領域と言えるでしょう。

日進月歩を続ける電子工学の領域では、解決すべき問題が累積し、将来の産業社会の発展のために創造的な問題提起を望む声はとどまることがありません。基礎工学研究科電子応用工学専攻では、そういったニーズに応えることを目的とした教育・研究が行われています。

本専攻は、専門分野として電子デバイス、情報処理、計測・制御の3部門がおかれています。電子デバイス分野は、レーザー工学特論、電子デバイス特論、電子物性特論などを主科目として学ぶ電子・光エレクトロニクスの専門分野で、電子応用機器やシステムの基礎について研究。情報処理分野は、知識情報処理特論、信号処理特論、情報伝達特論などを修得し、情報技術の基礎と応用を研究します。計測・制御分野は、計測制御工学特論、超音波工学特論、超精密加工特論など、センサー、加工などに関した研究をする分野です。もちろんいずれの分野も、専門的立場から国際的トレンドを視野に入れて最先端の科学研究を行う教員のもと、広い視点で電子応用工学に必要な知識が修得できるよう配慮。必修科目である特別輪講は、それぞれの専門分野の外国語論文紹介によって科学技術論文の理解を深めると同時に、プレゼンテーションの技能力を身につけるような工夫が施されています。

また、多様なニーズや学問分野の発達に対応するため、電子物性および超精密加工については、連携大学院方式により国立の研究機関と連携しています。

材料工学専攻

今日、材料は各方面で広く用いられ、高性能なものが要求されています。電子デバイス、超伝導材料、航空機材料、アモルファス合金、複合材料、原子炉材料、各種センサー、光学材料、バイオ材料など例をあげれば限りがなく産業界にとって不可欠なものとなっています。

材料の示す諸性質は、マクロな質や量となって現れますが、その原因は原子・分子の配列や電子のふるまいに関係があることが、明らかになってきました。基礎工学研究科材料工学専攻では、金属材料、無機材料、有機材料、半導体材料などの性質をミクロな立場から解明し、今までにない高い性能を持つ新物質、新材料の合成・創製を目指しています。

本専攻の講義は、材料物性工学、半導体材料工学、無機材料工学、有機材料工学、材料プロセス工学、システム・複合材料工学の専門分野に分かれて行われます。各分野とも、その専門科目は材料工学の基礎から研究の先端領域にまで及んでおり、物質の物理的性質、化学的資質、機械的性質を理解し、原子・分子のレベルから実際の材料に至るまでの製造プロセスを習得できるように配置されています。さらに、客員教員、非常勤講師、海外から招聘した教員などによる特別講義が集中講義の形で行われ、材料の最先端の現況を把握できるように配慮されています。また、材料の開発やその基礎研究を行うために必要な実験装置も整っています。透過電子顕微鏡、薄膜Х線回折、蛍光Х線分析、原子間力顕微鏡など、材料をミクロな立場から分析・評価する装置を駆使して、材料の性質や構造を研究しています。

生物工学専攻

細胞の増殖、発生、分化、生存維持、老化、死はすべて多くの遺伝子のプログラムされた発現によって調整されています。発生の過程で脳などの器官や体節が秩序だって形成されるのも、すべて遺伝子発現の正確なコントロールのたまものです。自己免疫疾患や癌などはこの発現調整システムが破綻した例といえるでしょう。このような遺伝子の働きに注目し、動植物・微生物の遺伝子を扱い、その構造、発現調整システムの解明、個々の遺伝子にコードされているタンパク質の働き、糖鎖や脂質、さらには非コードRNAなどの機能についての先端的な研究をするのが基礎工学研究科生物工学専攻です。

講義は、研究室で現在も進行中の研究を踏まえて行われるため、いずれの科目でも最先端の生命科学を学ぶことができます。研究室においては、幅広い知識と高度な解析技術を修得するとともに、独創的な発想法を身につけることを目標としたテーマが与えられ、指導教員の助言のもとに高度な技術や知識、アイデアを駆使し、独創的・先端的な研究が進められています。

本専攻は、細胞工学、免疫工学、発生・再生工学、植物生物工学、ゲノム工学、生体高分子工学、生体物質化学の7つの専門分野からなります。この研究グループは、有機化学・物理化学をベースに分子レベルで生命現象を調べるグループと、分子生物・生化学をベースに生命現象に迫るグループ、細胞・個体レベルでの現象から生命を研究するグループに分かれます。

すべての研究分野は、高いクオリティーオブライフを実践する社会の構築を目指した質の高い研究活動を行っています。動物や植物の機能を徹底的に調べあげることで、臓器の再生や生体機能の回復技術、新規医薬品、有用生理活性物質の探索やその生産法の開発、食糧や地球環境問題などの解決が可能であると考えています。

また、他専攻との境界領域を研究する融合領域分野が設定されており、さまざまな発想での研究が可能になっています。さらに、国立がんセンターや電力中央研究所などの研究所との連携がなされており、客員教員による指導のみならず、最先端の設備を駆使した研究によって、学際領域へのアプローチも可能になりました。

経営学研究科

経営学を幅広くカバーする経営学研究科の研究分野は、会計学、経営管理、経営情報の3つの領域にわたり、それぞれの分野の権威がハイレベルな研究指導を行っています。また、特定の分野にとらわれず、広汎な実践的経営理論と様々な分析方法の教育を通して専門職業人を育てる“プロフェッショナル・スクール”としての性格を兼ね備えていることも特色の一つでしょう。経営学研究科は、本学で唯一の社会科学系研究科という特殊性を生かし、理学・工学の基礎と情報技術を重視するとともに、理工系学部出身者でかつ実務経験もある人々を受け入れるユニークな大学院を目指しています。本学大学院に設置された他の研究科はもちろん、全国的に見ても、きわめて個性的でかつ希少価値を有する方向性を持った大学院修士課程です。

経営学専攻

日本における経営学は、これまで文系的なアプローチが主流だったといえます。しかし、高度に情報化された市場では科学的な手法を適用したデータベースを駆使してニーズの発掘と顧客の獲得が不可欠です。組織の情報化を図り、コスト競争力を高める必要もあるでしょう。世界から経営資源を調達し、世界を相手にビジネスを展開するためには、語学力とともに情報技術の活用が前提となっています。そしてそこに理系・文系のカベを取り払ったフレキシブルな視点によるアプローチが必要なのはいうまでもありません。

本専攻では経営組織体の革新と成長のためのマネジメントを、次のような局面から研究することができます。

  1. 経営環境/グローバルな競争環境のもとにおける日本企業の経済・産業・社会的経営環境の分析手法の研究と現実データによる分析。
  2. 経営政策/新しい日本企業論、経営戦略論の探究と構築を行う。
  3. 経営管理/ヒト:組織行動・人的資源管理、モノ:生産・ロジスティックス・マーケティング・物流管理・在庫管理、カネ:財務会計・管理会計・財務管理、情報:情報システム・情報ネットワーク・情報戦略・経営情報技術。
  4. 経営システム/経済性分析・マネジメントコントロール・経営システム分析・意思決定支援システム。
  5. 数理・計量分析/経営数理・経営統計・ゲーム理論・経営シミュレーション。

従来の経営パラダイムが通用しなくなった今、机上の研究だけでの実務運用は期待できません。理系大学を母体にして発足した、差別化された本経営学研究科は、経営学の学際的広範化と実証的アプローチにおいて他の大学院にない特徴を有しています。そしてそれは、転換と発展の時期にある経営学を学ぶ上で大きなアドバンテージと言えるでしょう。

生命科学研究科

人間を含む生命系の営みの根源となる生命活動を分子・遺伝子レベルで解明し、癌、免疫病、遺伝子等の難病を克服し、人類の健康と福祉に貢献するのが生命科学です。生命科学研究科では、細胞生物学、免疫学、分子生物学、構造生物学、発生学、分子医学、再生医学、バイオテクノロジーなどを軸に、生命科学の基礎全般にわたるハイレベルな専門教育を実施し、従来の専門分野にとらわれることなく、多角的な視点から研究活動ができる人材を育てるとともに、生命科学の“知”の拠点として研究成果を世界に発信することを目的としています。したがって、異なる分野で科学の基礎を学んだ学生が世界各地から集まることも期待されています。まさに、新しい大学院教育のあり方を提案する画期的な試みと言えるでしょう。

生命科学専攻

生命科学専攻は、特定の学部に基礎を置かないユニ-クな形態で平成9年に創設された生命科学研究科に設置された唯一の専攻です。本専攻では、生命医科学研究所の主要研究部門を基礎とし、分子生物学、免疫生物学、生命情報科学、分子病態学、時間生物学、免疫実験動物学など、現在注目を集めている研究テ-マを軸に、同研究所の設備等を活用し、生命科学の基礎全般にわたるハイレベルな専門教育を行っています。ここでは、従来の個別化した専門分野にとらわれることなく、多角的な視点から研究活動ができる人材を育てるとともに、生命科学の“知”の拠点として研究成果を世界に発信することを目的としています。従って、理系総合大学である本学の卒業生はもちろん、異なる分野で科学の基礎を学んだ学生が世界各地から集まることも期待されています。それらの学生が最先端の設備を誇る研究環境の中で、生命科学の第一線で活躍する研究者である教員と切瑳琢磨しながら豊かな創造性と高度な専門知識を培うことにより、生命科学を切り拓く次世代の担い手として活躍することが期待されています。まさに、21世紀に向けて新しい大学院教育のあり方を提案する画期的な試みと言えるでしょう。

イノベーション研究科

本学のイノベーション研究科では、MOT(Management of Technology:技術経営専攻)、MIP(Master of Intellectual Property:知的財産戦略専攻)の2つの専門職学位課程とINS(Department of Innovation Studies:イノベーション専攻)博士後期課程の3専攻を擁します。

専門職学位課程ではともに経営という視点を持ちながら、MOTでは技術的視点を持ってビジネスをイノベートできる人材を、MIPでは知財に関する視点を持ってビジネスをアクティベートできる人材を、さらに博士後期課程であるINSでは、専門職学位課程での実践的教育研究を基盤に、グローバルな規模でのイノベーションの推進に直結した応用性の高い実践知を体系化し理論研究として深く掘り下げることのできる高度の知見と能力を兼ね備えた人材を育成していきます。

イノベーション専攻

二つの専門職学位課程の専攻は開設当初、好評をもって社会に受け入れられ、その卒業生も既に相当数の規模に累積しています。そうした教育の累積の中から、専門職学位課程での教育研究をさらに深めたいというニーズが本研究科の修了生のみならず、日本社会の中に相当量存在していることを我々は感じさせられてきました。それはグローバルな規模でのイノベーションの推進に直結した応用性の高い実践知を体系化し、理論研究として深く掘り下げることのできる高度の知見と能力を兼ね備えた人材の育成へのニーズです。

その社会的ニーズに応えるために、博士後期課程を本研究科の中に創設することが必要です。但し、専門職大学院の枠組みの中には、博士後期課程の制度そのものは用意されていません。したがって、「イノベーション専攻」という博士後期課程のみの新しい専攻を、既存の二つの専門職学位課程の専攻に加えて第三の専攻として設置し、理工学の理論を企業・産業の場で実践するための深い知を教育研究する場としています。

この新しい専攻の設置は、本学全体の理念である「理学の普及を以て国運発展の基礎とする」に合致するものです。この理念の今日的意義は、「人間性との調和並びに社会の諸問題を視野に捉えた科学技術の発展」であり、既に本学では理工学分野で多くの博士後期課程をもつ研究科・専攻が設置されています。本研究科のイノベーション専攻もまた、こうした理工学分野での本学の伝統に則り、それをさらに今日的に補完・発展させるものです。
イノベーション専攻では、イノベーションが技術をベースに社会の中に起きる際には、主に三つのプロセスを経由すると捉えています。

第一に、イノベーションを必要とする社会的ニーズのコンセプトを、イノベーターが認識しあるいは創造し、そしてそのコンセプトを具現化するためのプロトタイプ作成に至るまでの技術開発を行うプロセスがあります。第二のプロセスは、そのプロトタイプが市場に提供され、そこからのフィードバックをもとにさらに洗練され、最終的に完成された製品が社会的に普及していくプロセスです。第三のプロセスは、イノベーションの成果から上がる利益を、その成果を生み出す努力をした企業や個人がきちんと自分のものと出来るように、イノベーションを結実させる上で知的財産を保護し、有効利用するプロセスです。この三つのプロセスに対応させて、イノベーション専攻における教育研究分野は、「コンセプト・プロトタイピング領域」、「イノベーション・ロジック領域」、「知的財産マネジメント領域」の三つの領域と定めています。

国際火災科学研究科

アジアでは急激な都市化に伴う新空間(超高層、地下)及び工業化・省エネルギー化に伴う新材料(主にアルミニウム、プラスチック)の利用による火災リスクの増大が住民の生命、財産にとって大きな脅威になろうとしており、そのリスク抑制に有効な対策を得るための火災科学に関する基本的な研究と合理的な規制づくりを担当できる火災科学の専門家の育成が求められています。

また、ISO(国際標準化機構)など世界共通の設計法を求めるグローバル化の進展に伴い、火災科学分野においても、従来の経験による仕様規定ではなく、科学的理論に裏付けられた性能的設計法が必要とされ、かつ製品シェアの拡大を目指す各国間で、それぞれの国の技術基準の優位性を強調する競争も生じていて、これらの国際的動向を包括的に理解し、合理的に対処する能力を有する人材が求められています。

このように急激に都市への人口集中が起こっている諸都市、特にアジアにおいては変容する都市空間の火災リスクが急増しています。本研究科は、この急増する火災リスクを制御することを目標とし、火災安全性能評価とこれを用いた設計体系確立に関する最先端の研究成果を利用して、火災リスクを抑制する有効な対策を選定できる高度の専門的職業人を育成します。火災リスクの抑制は、グローバルな課題であると同時に、抑制のための法規制、製品安全基準など国際的対応の必要な課題です。

火災科学専攻

「火災科学」という学問領域は、現代社会の中ではあらゆる分野を包含しています。すなわち工学分野である建築学、都市計画学、理学分野である物理学、化学の学問の基礎を理解し、火災そのものの現象面を把握することに加えて、火災安全のための規制を社会の成熟度に適合するよう、どのような運営をするかなど社会的な問題点まで見通せる能力が必要になります。特に、急速な発展を遂げているアジア諸国からの留学生については、自国の火災安全の状況を国際的視野から見通せる能力を持つことが求められます。

このため、以下に示すように物理・化学、人間工学、火災実験・演習などの(1)火災の基礎理論・実践領域や火災現象や建築学などの「(2)設計実務型火災安全技術領域」に加えて、「法規制学概論」などの「(3)行政実務型火災安全技術領域」の科目を配し、社会科学的視野から問題解決する能力の育成も可能なカリキュラムを構成しています。

(1) 火災の基礎理論・実践領域
火災に伴う発熱や煙流動などの現象を扱う「火災物理・化学概論1・2」、避難や消火活動などの火災時の人間行動・安全を扱う「人間安全工学概論1・2」、そしてリスク同定に不可欠な火災科学を実践する大型実験施設を活用した実習である「火災実験」並びに火災科学に係わる数値計算やシミュレーションの演習である「火災演習」で構成されています。

(2) 設計実務型火災安全技術領域
火災に伴う各種現象を予測し、その影響を評価するために必要な理論や技術を教授する科目で構成されています。「火災現象特論」では熱移動、火炎・火災プリューム、燃焼や難燃処理などの現象、「防災設備設計特論」では防災設備の設計並びに作動予測手法、「避難安全設計特論」では主に建築物における避難計画と建物火災時の避難安全評価、「材料設計概論」では防火材料や耐火被覆材料等、「構造耐火設計特論」では建築物の主要構造部の耐火設計、「火災流体力学特論」では火災現象に関する数値流体力学、「建築防災設計演習」では空間設計における安全性評価への火災安全工学の適用の演習を扱っています。

(3) 行政実務型火災安全技術領域
火災リスクの動向、建築・都市・交通などの安全・安心な基盤整備維持に求められる災害の統計分析や社会施策や法規制の基礎を教授する科目で構成されています。「火災鑑定概論」では火災原因や火源域、火災発達状況の推定、「消防防災学特論」では消防防災の役割と具体的な施策、「建築防災学概論」、「都市防災学特論」では建築災害、都市災害とその対策、「リスク分析・安全性評価特論」では統計分析やリスク事象のカテゴリー化、定量化、「法規制学概論」では社会規制の基礎と火災に関する規制の現状と在り方、「防火法令特論」では防火に関連する法規制の在り方とその実際を扱っています。

連携大学院

連携大学院

「連携大学院」とは、連携先の研究者を客員教員に迎える一方、本学学生が最新の設備と機能を有する研究機関において大学院の研究の指導等を受けることができるというシステムです。文字通り“官・民・学”の三者が研究レベルで密に連携する画期的なスタイルと言えるでしょう。これまでは学内に限られがちだった大学院組織の壁を乗り越え、さらに発展させた私立大学初の試みです。

「連携大学院」の導入で大学院における研究領域が多方面に拡大したことはもちろん、外部との日常的な交流が刺激となり、本学学生の研究活動を一層活性化させるなどメリットは計り知れません。また、連携先の研究機関では大学院教育に参加することで若い活力を研究活動に注入し、独創的な学術と先端的技術の開拓を図っています。

なお、「連携大学院」は現在、理学研究科・工学研究科・薬学研究科・理工学研究科・基礎工学研究科・生命科学研究科・国際火災科学研究科の7研究科で実施され、平成26年度は67名の大学院生が研究指導を受けています。今後は客員教員、連携先と合わせてその数をさらに拡大していく予定です。

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